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（ブルームバーグ）： 「日本株式会社」の変化が証券会社に商機をもたらしそうだ。金融機関や事業会社による持ち合い株式（政策保有株式）の大量売却が始まり、最大8000億円規模とも見込まれる仲介手数料を巡り、内外の証券会社がしのぎを削っている。

野村ホールディングスはオーダーメードの売却方法を顧客に提案し、大和証券グループ本社は法人顧客担当のチームにいわゆる「ブロック取引」の専門家を加えた。米ＢｏｆＡ証券もグローバルな顧客ネットワークを駆使して、保有株売却の支援に乗り出した。

資本効率改善やコーポレートガバナンスの観点から政策株の見直しを求める政府や投資家の圧力により、金融機関や企業は推定50兆円に上る政策保有株の売却に動き出した。トヨタ自動車などの大手企業を含め、1000社以上の上場企業が削減方針を打ち出している。

ブルームバーグ・インテリジェンスの伴英康アナリストの推計によれば、政策株の売買仲介を担う証券会社の手数料は、3000億円から8000億円に達する可能性がある。

大和証券の山本聡グローバル・マーケッツ戦略企画部長は持ち合い解消について、「当社にとって大きなビジネスチャンスだ」と指摘。資本効率改善の流れは不可逆的であり、向こう数年にわたり「日本の株式市場において大きなトピックであり続けるだろう」と述べた。

仲介取引の収益性やリスクはそれぞれ異なる。例えば、時間外の相対取引などを通じたブロック取引はリスクも伴うが単純な市場売却より多くの手数料を生む。売り手は市場への影響を低く抑えられる一方、証券会社は潜在的な買い手を探しながら、情報の取り扱いや取引執行で慎重な対応を求められる。

最近では香港拠点のヘッジファンド、セガンティ・キャピタル・マネジメントが、アパレル企業株式のブロック取引に先立ち株式取引を行ったなどとしてインサイダー容疑で告発された。ＳＭＢＣ日興証券は昨年、「ブロックオファー」に絡んだ株価操作で東京地裁から有罪判決を受けた。