「目的は我が家にあるゲームか」…ほぼ毎日遊びに来る息子の“友達” 母の心に芽生えた、悲しい「疑念」
「友達を家に呼びたい」と子どもが言ったら、あなたはどう感じますか?子どもが友達と関わる様子を見られるのは嬉しい反面、少し心配になることもありますよね。 【漫画】たまには外で遊んでみたら? 声をかけてみた結果は…(全編を読む)
楽しいはずの時間が、少しずつ違和感に変わるまで
都内在住のDさんは、自宅でフリーランスとして働いています。Dさんの家は放課後になると、小学5年生の息子の友達たちのたまり場と化し、よく誰かが遊びに来ます。 ほぼ毎日のように遊びに来るのは、友達のK君です。K君は遊びに来ると、息子と一緒にリビングでゲームに夢中になります。時には興奮しすぎて、小さな喧嘩も勃発するほど。しかし、Dさんにとってはそういった光景も微笑ましいものでした。ゲームの合間に飲むジュースやおやつの時間も楽しそうで「すっかり仲良しになったんだなぁ」と、ほのぼのとした気持ちでその様子を見守っていました。 ある日、Dさんはふと思いました。「そういえばK君って、うちに来るとゲームしかしてないな」と。 しかしその理由はすぐに明らかになりました。それとなく聞くと、息子がこう答えたからです。 「K君の家には、ゲームがないんだよ」 なるほど、だから我が家に来るたびに、ゲームをやりたがり、熱中しているのか。Dさんは納得し、息子とK君のゲームタイムを見守り続けることにしました。
ゲーム以外の提案は、まさかの拒絶?
とはいえ、毎日毎日ゲームばかりというのも気になってきます。たまには違う遊びもしてほしいと思ったDさんは、息子に「今日はゲームじゃなくて、公園で遊んでみたら?」と伝えました。風も気持ちいい季節だったので、息子も「公園行こうか」と乗り気でした。 しかし、K君はその提案を聞くなり、即座に「ゲームができないならいいや。帰るね」と言って帰り支度を始めたのです。 えっ、と思わず息子も私も驚きました。息子は少し戸惑った表情を浮かべ、私はなんとも言えない気持ちになりましたが、「外で遊ぶのが好きじゃない子だったのかも」と自分を納得させました。そこで、今度来た時は、ゲームはゲームでも、頭を使いながら楽しめるボードゲームで遊んでもらおうと思いました。息子に提案すると、とても乗り気でした。 そして再びK君が家にやってきたとき、息子は「この前買った面白いボードゲームあるんだよ。これやってみない?」と提案。しかし、K君の反応は予想外のものでした。無表情で「あー、ゲームができないなら、もういい」と言い残し、あっさりと帰ってしまったのです。 息子も私も、一瞬呆然。「遊びに来てくれるのは、息子と一緒に楽しい時間を過ごすためではなかったの?」と、なんだか少し寂しい気持ちになりました。 K君が求めていたのは、ただ「ゲームができる場所」だったんでしょうか。 Dさんはその日、K君について息子と話しました。息子は「まぁ、仕方ない」と思っているようでした。しかし、親としてはどうしても、モヤモヤした思いが残ります。