いまトルコでお騒がせ中国人観光客が激増している…! 現地で何が起きているのか
中国人観光客の旅行スタイルが変化している
ジョージアを訪れる中国人旅行者を見ていると、「中国人=団体旅行」というのは、もう過去のイメージとなりつつあるのかもしれないと感じる。個人で自由旅行を楽しむ人が大幅に増えてきているのだ。 「海外を一人で旅する人」と聞くと、語学に堪能で旅の経験も豊富な人なのだろうと思ってしまうかもしれないが、決してそんなことはない。 昨今の中国人個人旅行者を観察していて思うのが、決して旅慣れている人たちばかりではないという点だ。 大半の中国人旅行者は現地語も英語も解さないので、スマートフォンの翻訳機能をひたすらに用いるし、中国人同士数人で固まって行動する人もかなり多い。共用の場所で荷物などを置いたまま席を立ったりもするので、リスク管理面における危なっかしさを感じることもある。 また、彼らの旅行スタイルに関しては、定番とされる見どころを順番に周ってはまた次の目的地へ……といったスタイルで、かなり急ぎ足だ。有名な町や観光スポットばかりに中国人旅行者が多く集まり、マイナーな場所ではほとんど見かけないという点も特徴的に思える。 しかし、よく考えてみると、2024年の中国人個人旅行者の旅のスタイルは、かつての日本人個人旅行者の旅のスタイルと共通点が多いように思える。 日本人の間で海外個人旅行ブームに火がついた2000年代後半のこと。バックパック一つで世界を周るバックパッカーや、格安航空を駆使してお得に周遊するスタイルまで、「世界最強」と言われるパスポートの恩恵と円高の追い風を受けながら、旅行好きの日本人は自由旅行を謳歌してきた。 しかしながら、往年の日本人旅行者でも外国語に堪能な人は決して多くなかったし、「日本人宿」と呼ばれる日本人旅行者が集まる宿に溜まっている人も少なくなかった。有名観光地や各国の首都だけをさっと周って次の場所へ移っていくスタイルもポピュラーだったように思う。 こうして見ると、かつての日本人旅行者の姿が、2024年の中国人旅行者の姿に重なっているように感じられる。かつて日本人旅行者が通ってきた道を、今の中国人旅行者も歩んでいる途中なのかもしれない。