3連敗の巨人に欠けていた“姿勢” 崖っぷちから逆転は…専門家が指摘するDeNAとの差
「泥臭く1点を取り、1点を守る姿勢が必要」
長丁場のレギュラーシーズンを制した巨人だが、「もう完全に尻に火がつきました。きれいな野球はもういらない。泥臭く1点を取り、1点を守る姿勢が必要だと思います」と野口氏は強調。そういう意味で、気になるプレーがあったと言う。 「吉川の代役として二塁を守っている中山(礼都内野手)は、2回2死走者なしでの守備で、戸柱(恭孝捕手)が際どく一、二塁間を破った右前打に対し、ダイビングはしなかった。前日(17日)の第2戦の5回に、森(敬斗内野手)に二遊間を破られ先制点を許した際も同様でした」と野口氏は指摘する。 「ダイビングしたからといって、捕れたとは限らないし、アウトにできたとも限りません。それでも、飛びついても捕れなかったのなら、誰もが納得する。援護点が少ない中で力投している味方投手へ向けて、そういう姿勢を見せることも大事ではないでしょうか」と語る。 一方のDeNAはこの日、桑原将志外野手が6回の攻撃で二盗に失敗した直後、悔しさ余って、ベンチを殴りつけるシーンがあった。「怪我をする危険がありますし、ああいう態度は決してほめられることではありません。しかし、こういう大事な試合で、本当に悔しいという気持ちが自然に出てしまったのだと思います。今のところ、絶対に勝ってやろうという気持ちが素直に、前面に表れているのはDeNAの方だと言えるのではないでしょうか」 巨人は過去に、今季と同様にレギュラーシーズンで優勝した2014年、CSファイナルステージで阪神に4連敗を喫し、日本シリーズに進めなかったことがある。一方、最後に日本一となった2012年には、ファイナルステージ第1戦から中日に3連敗を喫して追い込まれながら、3連勝して勝ち抜いた。その両方を「4番・捕手」として経験したのが、阿部慎之助監督である。果たして、今年の巨人に“明日”は来るのか──。
宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki