2024年はニュースメディア産業における生成AI関連の動きが活発化、著作権問題での進展、テクノロジーの活用拡大など
Axel Springerによる社内における生成AI活用の取り組み
OpenAIとAxel Springerの提携は、ChatGPTをさらに進化させる動きという点で注目が集まっているが、ニュースメディアにおける生成AIの活用模索の取り組み活発化という観点からも無視できないものとなっている。 Axel Springerは2023年7月10日、同社のビジネスにおける生成AIの可能性を模索する新チーム「Global Generative AI Team」を発足させたことを発表した。メディアビジネスにおいてどのように生成AIを活用するのか、戦略を明確化・定義することをミッションとするチームだ。 この発表によると、Axel Springer傘下の各メディアブランドでは、すでにそのプロセス/プロダクトの強化に向けて、生成AIの活用方法模索が始まっているという。さらには、社内での生成AI関連のスキルアップ取り組みも進められていることが明らかにされた。 新チームの具体的な役割としては、生成AI領域において、Axel Springerの事業と最も関連性の高い技術・プロダクトを探し出し、社内関係者にレポートすること、また関連スタートアップをリストアップし、M&Aや出資の可能性、パートナーシップの機会を模索することなどが含まれる。既存ビジネスモデルを大きく変える可能性のあるユースケースにおいては、MVP(Minimum Viable Product)の開発も担うという。 この新チームではすでにOpenAIのテクノロジーを活用した社内取り組みを始めており、今回の提携は、これらの社内取り組みをさらに加速させるものになる。 社内取り組みに関する具体的な情報は明らかにされていないが、メディア事業におけるユースケースとしては、リサーチ支援や記事生成、編集支援、翻訳、校正のほか、コンテンツのパーソナライゼーション、インタラクティブコンテンツの作成、動画・オーディオコンテンツの生成、データビジュアライゼーションなど、さまざまな可能性が想定される。