2024年はニュースメディア産業における生成AI関連の動きが活発化、著作権問題での進展、テクノロジーの活用拡大など
メディア大手、ハイパーローカルなニュース記事を生成AIで作成
ニュースメディア産業で生成AIの可能性を模索しているのはAxel Springerだけではない。 米メディア大手News Corporationは、生成AIテクノロジーを活用したコンテンツ生成のほか、既存の記事コンテンツの生成AI向けライセンス販売による収益化など、生成AI関連で活発な動きを見せている。 2023年7月末の報道によると、News Corporation傘下のNews Corp Australiaでは、生成AIを活用し、週に3,000にも及ぶハイパーローカルな記事を作成していることが明らかになった。オーストラリアの特定地域におけるガソリン代情報、交通情報、天気情報などをAIを使い記事化しているという。この記事化プロセスでは、人間によるチェックが行われているが、それがAIによって生成されたものであることを示す「開示情報」は記載されていない。 ニュースメディア産業では全体的に、生成AIを活用することに対し慎重なアプローチをとっている。一方で、水面下ではテクノロジーの可能性を模索する動きが続いており、コスト削減圧力の高まりなどの影響も相まって、2024年はAxel SpringerやNews Corporationに続き、生成AIに関して、大きな動きが起こることが予想される。
文:細谷元(Livit)