藤井聡太竜王・名人「最後崩れてしまって残念」決勝戦で敗退 永瀬拓矢九段に敗れ2024年初黒星を喫する/将棋・朝日杯
将棋の藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖、21)が2月10日、第17回朝日杯将棋オープン戦決勝で永瀬拓矢九段(31)に敗れた。連覇と大会最多タイとなる5度目の優勝を目指していた藤井竜王・名人だったが、デビュー以来の研究パートナーでもある永瀬九段が初優勝で偉業を阻止する結果となった。 【映像】藤井竜王・名人が投了を告げる瞬間 “ゴールデンカード”となった決勝戦は、先手の永瀬九段が意表の矢倉を志向。藤井竜王・名人との再戦を見越し充分に研究を深めてきたと見られる究極の作戦をぶつけた。早々に中盤戦に突入すると、藤井竜王・名人は手を止めてじっくり長考。対局は永瀬九段のペースでの進行となった。永瀬九段のノータイム指しに対し、藤井竜王・名人は早々に秒読み開始。形勢は互角で推移していたものの、プレッシャーの中での戦いを余儀なくされた。 互角のまま終盤戦へと突入したものの、永瀬九段は手綱をしっかり握って離さない。1分将棋の中で反撃を繰り出したい藤井竜王・名人だったが、永瀬九段の研究を前に大技をかけることができない。昨秋の王座戦五番勝負で八冠独占を許す結果となった永瀬九段は、その雪辱を果たすべく着実にリード拡大。激しい攻防戦が繰り広げられたが、藤井竜王・名人の追い上げは及ばず静かに投了を告げた。 永瀬九段は第4回からの朝日杯出場で、今回が初優勝。最大のライバルで八冠保持者の藤井竜王・名人を破り、堂々の結果を手にした一局を「今日は矢倉で教えていただこうと思っていたので作戦でしたが、バランスがとれていたかわからないまま指していました」と振り返った。 藤井竜王・名人は、4つある一般棋戦で銀河戦に続き朝日杯でも決勝戦で敗退。前年に続く完全制覇は達成できなかった。藤井竜王・名人は「途中で持ち時間が39分 対 1分みたいになってしまって厳しいのかなと思っていました。中盤から終盤も際どいかなと思っていましたが、最後崩れてしまって残念でした」とコメントした。 ◆朝日杯将棋オープン戦 持ち時間40分の早指し棋戦。一次予選、二次予選を勝ち抜いた棋士が、シード棋士を含めた計16人で本戦トーナメントを戦う。参加は全棋士、アマチュア10人、女流棋士3人で優勝賞金は750万円。 (ABEMA/将棋チャンネルより)