欧州議会最大会派、自動車排出規制の緩和求める取り組み強化
Kate Abnett [ブリュッセル 10日 ロイター] - 欧州議会の最大会派である中道右派の欧州人民党(EPP)は、自動車の二酸化炭素(CO2)排出量削減へ向けた欧州連合(EU)の基本政策を緩和するよう求めている。ロイターが閲覧したEPPの草案文書で明らかになった。 EPPの文書は11日に公表される予定。EUに対し、需要低迷や中国勢との競争激化、電気自動車(EV)の販売不振などに苦しんでいる欧州の自動車セクターを早急に支援するよう求めている。 草案は、内燃機関(エンジン)車の新車販売を2035年までに禁止するEUの方針は「方向転換すべき」と主張、バイオ燃料などの代替燃料で走行する自動車の販売は認めるべきだと訴えた。 また草案は、プラグインハイブリッド車を支援するための法改正も必要だと指摘。2035年へ向けた政策は、こうした変更を反映する方向で来年の早い段階で見直すようEUに求めた。 さらに草案は、来年に施行される厳格な自動車のCO2排出規制について、2027年に先送りするか、自動車メーカーが負う責任を軽減するか、のいずれかに修正するよう提案した。 こうした要求に欧州委員会はこれまで抵抗してきた。欧州委のフクストラ委員(気候変動対策担当)は9月、気候に関するEUの規則は予測可能な投資環境を提供しており、多くの企業はEUに対し目標達成へ向けた取り組みが順調に進んでいると伝えていると述べた。 だがその後、自動車セクターを巡る状況は一段と厳しくなっている。ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は国内工場を閉鎖する計画を発表。自動車メーカー各社は、トランプ次期米大統領が表明している関税の引き上げに備えている。