＜第40回伊藤園レディースゴルフトーナメント最終日＞初の年間女王が決まりオンラインで会見する竹田麗央（撮影・会津　智海）

　◇女子ゴルフツアー　伊藤園レディース最終日（2024年11月10日　千葉県　グレートアイランドC＝6769ヤード、パー72） 　プロ3年目で今季8勝の竹田麗央（21＝ヤマエグループHD）が10日、初の年間女王に輝いた。メルセデスランク2位の山下美夢有（23＝加賀電子）が伊藤園レディースで4位となり、残り2戦で逆転される可能性が消えた。93、94年賞金女王の平瀬真由美（55）が叔母で母・哲子（さとこ、56）もプロというゴルフ一族。本紙に独占手記を寄せ、飛躍のシーズンを振り返り、そして来季挑戦する米ツアーでの未来図を語った。 　前日に予選落ちした竹田は地元熊本からリモート会見に出席した。会場に本人不在で女王が決まるのは史上初。「こういう形になって申し訳ないです。予選通過できなくて本当にすみません」とバツが悪そうに頭を下げた。ただしそれは、今季8勝を重ねて女王レースを独走した証でもある。 　平均262.72ヤードを誇るツアー1位の飛距離、球が止まりやすい高いフェードの球筋のショットを最大の武器とする。小学時代にゴルフと並行して熱中したのが水泳とヒップホップダンス。クロールが一番得意な泳ぎで「肩甲骨が柔らかくなった」ことが飛ばしのルーツになった。運動会の練習ですら「1番じゃないと嫌」と内に秘める闘志も併せ持つ。 　オフはショートゲームを徹底強化し、パーオンを逃したホールでパー以上で上がるリカバリー率は昨季55位から7位と向上した。「簡単にボギーにならず、パーを拾えたのが一番の要因」。前週の米ツアー、TOTOジャパンクラシックでは優勝して来季の出場資格も得た。地道な積み重ねが3年目での飛躍につながった。　（中村　文香） 《3番目年少記録　21歳222日》　竹田は21歳222日での女王戴冠となり、22年山下美夢有の21歳103日、07年上田桃子の21歳156日に次ぐ3番目の年少記録となった。今季ここまでの獲得賞金は2億5263万16円で、統合シーズンだった20～21年の稲見萌寧が持つ最多記録の2億5519万2049円に迫っている。また現時点でのシーズン8勝は、同10勝の不動裕理（03年）、同9勝の稲見萌寧（20～21年）に次ぐ歴代3番目の勝利数。