難病で“長期休養”の星野監督「チームに申し訳ない」
V2を狙う楽天に衝撃が走った。26日の交流戦のヤクルト戦前に「腰痛で休養」と発表され、ベンチに入らなかった星野仙一監督が、都内の病院で精密検査した結果、腰椎椎間板ヘルニアと、厚労省指定の難病である胸椎黄色靱帯骨化症と診断された。黄色靱帯骨化症は、プロ野球界でも巨人の越智大祐投手やソフトバンクの大隣憲司投手が発症したことでも知られる。背骨を縦につなぐ黄色靱帯が骨のように硬くなって脊髄を圧迫する病気で、神経が圧迫されることによって足がしびれ、感覚がなくなってしまうなどの歩行障害につながる難病だ。私は、無礼を承知で、星野監督を直撃した。 「あんたの声を聞くと痛みが増すわな」と、星野監督は冗談を返してくれたがチームが借金に、もがいている状況の中で、本来ならば、先頭に立つべき指揮官が戦線を離脱するのだ。責任感が人一倍大きい指揮官の心痛は、想像に難くない。 「知っての通り、4年前からヘルニアは患っていたんだ。痛みは一時収まっていたが、2年前に再発した。だまし、だましやっていたが、最近になって、普通に歩けないほどの状態にまで悪化してしまった。チームには本当に申し訳ない。手術? 迷っている」 本来、我慢強い男が、采配をふるえないほどの痛みを訴えるのだから、よほどのことなのだろう。しかも、完治が約束されない難病。手術に迷っている理由は、その選択は長期休養へとつながるからと知っているからだ。しかし、手術をしなければ、監督どころか、普通の生活で、歩けなくなってしまう危険性まである。少しでも、歩行障害を改善するには、成功の可能性が薄くとも手術の選択しか残っていないのかもしれない。 私は、それ以上、先のことを聞くことはできなかった。おそらく長期離脱は、避けることはできない。阪神時代も、高血圧が原因で試合中にベンチ裏に引っ込み倒れたことがあった。不整脈もあって北京五輪には、主治医が帯同して、万が一に備えていた。