調布の小学校で「たき火のつどい」 温かい場で地域がつながる
コミュニティースクールである調布市立第三小学校(調布市上石原2)が主催する地域交流イベント「三小ケヤッキーのたき火のつどい」が12月7日、同校校庭で開催された。(調布経済新聞) 【写真】調布市立第三小学校の秋國校長(左)とコミュニティースクール委員の皆さん 校庭中央に置かれた縦半分に割ったドラム缶の中で、パチパチと音を立てて火が燃えている。その周りに並べられたパイプ椅子には参加者が腰掛け、火に当たりながらドリンク片手に歓談するなど、自由に約1時間を過ごした。参加者は教職員、コミュニティー委員、学区域の民生委員や健全育成委員、学童関係者、消防団員など、学校と関わりの深い大人たち。普段から学校で働く用務員の男性が手際よく火の管理を担当した。 「三小ケヤッキー」は、開校70周年を記念して誕生した同校のマスコットキャラクター。同校のコミュニティースクールは2年目を迎え、昨夏、児童向けイベント「三小ケヤッキーの水遊び」を開始。今冬は初めて「三小ケヤッキーのたき火」を企画した。築地本願寺のたき火イベントから着想を得たという。発案者であるコミュニティースクール委員の須田さんは「学校に来ることへのハードルを下げ、地域の誰もがふらっと立ち寄れる温かい企画にしたかった」と話す。 たき火の準備は地域のつながりを生かし、地域の協力を得て進められた。使わなくなったドラム缶を地元の自動車修理店から譲り受け、鉄工所で加工を依頼。燃料となる廃材をトラック1台分集めたという。 参加した女性の一人は「火を見ているとリラックスでき、会話の間も持つので、よく知らない人とも一緒に過ごしやすく、話しやすかった」と振り返る。東京工業大学名誉教授の武者利光さんの研究によると、炎や水のせせらぎなど「ゆらぎ」と呼ばれる自然の不規則な動きは人に心地よさを与えるという。 同コミュニティースクール会長の塚松美穂さんは「地域住民が学校運営に当事者として関わることがコミュニティースクールの特徴だが、地域と学校の連携には難しさもある。学校の課題について会議で話し合うことも大切だが、普段は話す機会が少ない先生や地域の人々がたき火を囲んでつながれる場を作りたかった。学校や子どもたちに関心を寄せる大人が増え、協力していけるよう、たき火を囲みながら温かい気持ちで時間を共有できて良かった」と話す。
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