顧客獲得 の戦略を比較。TikTokShopかインスタグラムか、有料かオーガニックか?
1月25日の夜、Glossy+のメンバーがマディソン・アベニューにあるタニヤ・テイラー(Tanya Taylor)の店舗に集まった。自身の名を冠したファッションブランドの創業者でクリエイティブディレクターのタニヤ・テイラー氏との炉辺談話の後、美容とファッションの世界にまたがるエグゼクティブたちが親密なディスカッションに参加、どのような課題に直面し、それに対してどう取り組んでいるかについて語り合った。タイムリーで人気の高い話題のひとつは、TikTokショップと、それがほかの高価な顧客獲得方法の代替手法として機能するかどうかだった。 以下は、参加者(全員匿名とする)による率直な会話のハイライトである。
人々がインスタグラムとTikTokを利用する理由はさまざま
新規顧客獲得戦略としてMetaに広告を出すと、法外な費用がかかることは広く知られている。幸いなことに、ある幹部が指摘した通り、いずれにせよ人は買い物をするためにインスタグラムを利用しているわけではない。代わりにTikTokを使っている。 「インスタグラムは超高額だ。またインスタグラムではすばらしいリーチを獲得できるが、エンゲージメントとその後の購買の観点からすれば、人々は買い物をするのにTikTokを利用している。インスタグラムでは、たしかにブランドよりもクリエイターの方がエンゲージメントが高いが、ブランドの方がリーチ力があるため、そこは何を目的とするか次第だ。TikTokは、インスタグラムにくらべて人々のエンゲージメントがかなり高い。またリンクにアクセスする人もTikTokの方が多い。TikTokの意図は、人々がオープンで買い物をしたいと思っていて、ファネルを下っていく意思があるというものだが、インスタグラムは本当に視聴するためのチャネルと化している」。
メガインフルエンサーを起用する余裕がなければ、単純に「リアルな人々」を取り込めばいい
すべてのブランドがソーシャルメディア広告に金をかけることができるわけではないように、すべてのブランドがメガインフルエンサーの費用を捻出できるわけではない。ブランドがリーチしようとしている人に基づいてリアルな女性を選べば、ブランドの話題性とロイヤルティを築く上で同様のインパクトになるだろうと指摘する参加者もいた。しかしこのアプローチは、雷が落ちる(つまり、バイラルになる)までに多くの時間がかかるので、忍耐力が必要になる。 「顧客がチャンピオンだという考え方が気に入っている。(私たちにとっての)ミューズは、100万人のフォロワーがいて、あちこちとパートナーシップを結んでいる女性たちではない。マイクロインフルエンサーこそがミューズだ。仲のいい友人から、とてもファッショナブルだと思われている人。彼女たちこそ、いま女性が話を聞きたいと思うチャンピオンなのだ。広告にお金をかけられなかったり、大きなイベントができなかったりしても、彼女たちなら雑音を切り抜けることができる。そうした女性たちに、仲間内でブランドを支持してもらいたい。そうすれば、さらに大きなイニシアティブに再投資するための収益を得るのに必要な、驚くほどオーガニックなトラクションが構築される」。