妹尾和夫が主宰 劇団パロディフライこだわりの稽古潜入
妹尾和夫が主宰 劇団パロディフライの練習にカメラ潜入 THEPAGE大阪
関西を中心に活躍する俳優・タレントの妹尾和夫さん。街をぶらぶら歩くテレビ番組「せのぶら」やラジオ番組「とことん全力投球!!妹尾和夫です」のパーソナリティなどでも知られているが、本業は俳優。しかも自らが立ち上げ20年以上の歴史を持つ「劇団パロディフライ」の主宰でもある。関西を中心に知られた劇団だが、どのような稽古をしているかなどは、あまり公開されていない。そこで今回、大阪市北区にある同劇団の稽古場へカメラ片手に潜入。そこには、いつもテレビなどでは見せない妹尾さんの横顔があった。
いつドラマの現場に呼ばれても対応できるように
大阪市北区中津にある同劇団の稽古場。中に入ると、いすやテーブル、ヘルメットや衣装など生活感あふれるお芝居の小道具がたくさん置かれている。そこで、先に来ていた劇団員が掃除などを行い、稽古の準備を黙々と進める。 そんな中「おはよう」と言いながら現れたのは妹尾さん。同時に20人以上を数える劇団員らも大声で「おはようございます」と返す。さあ、いよいよ稽古開始だ。 「公演が入ってない時は、月に2回 第1・第3火曜日。ドラマ用のレッスンをしているんです」と妹尾さん。劇団員に映画やドラマの仕事が入った時に、現場へ行ってやり方がわからなかったらいけないので、ドラマなどのシチュエーションを作って行っているという。 妹尾さんはドラマの世界を長くやっているため「現場にいったらこうだよ」ということがわかる。「現場の状況を作りながら、それプラス、自分たちで想像する「エチュード」という、設定だけ決めて自分らでセリフなどを決めさせる稽古もするんです。これが大事な稽古なんです」と語る。
演技が達者でも「通過点」できなきゃダメ
エチュードの設定は、ベンチが2つある公園で1つの方には1人がすわり、もう一つには2人がすわる。ここからチームで話を展開させていく。そしてそれには「通過点」という決まりものがある。「通過点というのは、ドラマの撮影現場で監督やディレクターが『こんな感じでお願いします』といういわば『決まりもの』をやった上で展開を成立させるものなんです」と妹尾さんは話す。 もし、この通過点をクリアしなかったら、どんなにおもしろいものを作っても成り立たないという。「まあ、この練習は監督さんらの言うことをちゃんと『聞いてるか』を練習する場でもあるんですよ」と 「これは、決められたことをクリアしないとどんなにおもしろいものを作ってもダメ。現場で監督なりディレクターがこういう感じでお願いしますといわれたときに、これをクリアしてなかったらダメ。こっちが言うてることを聞く練習でもあるんです」と妹尾さんは続ける。そう、演技に夢中になり、もし通過点を忘れたらなんにもならないということだ。 今回の練習の通過点は、ベンチに座った人たちがどこかでどんな形でもいいから「話をする。やりとりをする」というもの。一定の時間で通過点を考えた上で話しの展開を決め実践。それをみんなで見守るという稽古だが、それぞれの個性が浮き出て各劇団員のチームそれぞれの個性が生かされるものが多かった。 そして、その稽古が終わると、妹尾さんは一つひとつ「ここはこうしてみたら」「みんなでこれは取り入れてほしい」などのアドバイスを送り勉強し合う光景が見られた。