価格が改定されるコメを原料とする商品

コメの価格上昇に伴い、コメを原材料とする商品の値上げも相次いでいる。コメが品薄となったことで需要が高まるパックご飯はメーカーが軒並み値上げを発表した。煎餅やおかきといった米菓、日本酒やみりんなどの調味料も秋から値上げされる。ようやく出回り始めた新米価格は昨年の2倍程度と高値になっており、コメに加えて関連商品の値上げも今後、家計の重しになりそうだ。 【表でみる】米は「どれくらいあれば何日持つ？」がわかる米備蓄早見表 サトウ食品は今月2日、「サトウのごはん」で知られるパックご飯全64品を12月2日出荷分から値上げすると発表した。税抜きの希望小売価格の引き上げ率は約11～14％。「新潟県産コシヒカリ」（200グラム）は204円から227円になる。 JAグループのJA全農ラドファ（宮城県）も5日、「農協ごはん」などのパックご飯全7商品を11月1日出荷分から約10～13％値上げすると発表した。東洋水産は「マルちゃん　包装米飯」を11月1日出荷分から13～14％値上げする。 値上げの波はコメを原料とする米菓や酒類にも押し寄せる。亀田製菓は米菓17品を10月1日納品分から値上げ。参考小売価格の値上げ率は約9～22％で、主力の「ハッピーターン」（96グラム）は約9％引き上げる。 宝酒造は10月1日出荷分からコメを原料とする清酒などの酒類を1～23％、みりんや料理酒といった加工・業務用調味料も1～33％値上げする。 メーカーの多くは原料米を事前の契約に基づき調達しているが、昨年の猛暑によるコメの品質低下などで流通量が大幅に減少し、価格が高騰。加えて、円安や物価高による包装資材費や物流費の上昇などで値上げを余儀なくされている。 JA全農ラドファは「昨今はコメ不足などによる原料米の高騰が続き、自助努力のみではコストが吸収しきれない」と説明する。 日本総合研究所の小方尚子主任研究員は、「今後は新米の入荷でスーパーの店頭にコメがないという状況は解消されるが、価格は高止まりする」と指摘。コメを原料とする商品について「日本酒など国産米を原料としている一部のコメ加工品は今後の仕込み分から、大幅な値上げを余儀なくされる」と語る。（小島優）