可能性は感じる ケド「宿題」も多い オモダ5 プロトタイプへ試乗 1.6Lターボの新型SUV
磨き込みが足りない走り 操縦性は悪くない
路上を走らせてみると、まだ磨き込みが足りないことは隠せない。1.6Lターボエンジンは、チェリー自動車の独自開発とのこと。ゲトラグ社製の7速デュアルクラッチ・オートマティックが組み合わされた、前輪駆動だ。 市街地をゆったり流している時の質感は良好ながら、加速させると明らかにウルサイ。加速力にも不足はないが、7速ATとの調和が取れていないように感じた。速度変化に対して、変速が小刻みすぎるだろう。 高速道路では、7速のまま巡航できる。しかし一般道を走っていると、常にギアがエンジンをかき回す印象。少々落ち着きがない。 操縦性は悪くない。軽く回せるステアリングホイールには、殆ど手応えがないものの、スポーツ・モードを選ぶと僅かに重くできる。フィードバックは淡白ながら、反応は正確で、狙い通りにノーズの向きを変えていける。 乗り心地は、低速域では細かな揺れをなだめきれず、路面の状態を伝えてしまう。スプリングはソフトでも、やや突っ張った印象を伴い、大きなうねりなどは吸収できる一方で、工事の補修跡といったツギハギの処理は苦手のようだ。
可能性は感じる だがやり残しの宿題も多い
欧州市場での戦いの基盤となる、5。雰囲気の良いインテリアに、充分活発なパワートレイン、クラスでは大きめの4.4mを超えるボディサイズなど、一定の強みは備える。しかし、このクラスのライバルはいずれも実力派揃い。選択肢も多い。 全長4.2m前後のモデルでも、5より広い後部座席と荷室を得られるモデルはある。燃費に優れ、運転を楽しめるモデルもある。 確かに、オモダというブランドには可能性を感じる。しかし、英国市場の支持を得るには、仕上げるべき宿題が少なくないようだ。 ◯:充実した標準装備 不足ない広さのリアシート △:社外品のようなインフォテインメン・トシステム 反応が一貫しない7速AT 加速時のノイズ 落ち着きのない乗り心地
オモダ5 1.6 290T ノーブル(プロトタイプ/英国仕様)のスペック
英国価格:2万7000ポンド(約518万円/予想) 全長:4424mm 全幅:1830mm 全高:1588mm 最高速度:206km/h 0-100km/h加速:7.8秒 燃費:12.2km/L CO2排出量:169g/km 車両重量:1430kg パワートレイン:直列4気筒1598cc ターボチャージャー 使用燃料:ガソリン 最高出力:185ps/5500rpm 最大トルク:29.5kg-m/2000-4000rpm ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック(前輪駆動)
ヴィッキー・パロット(執筆) 中嶋健治(翻訳)