可能性は感じる ケド「宿題」も多い オモダ5 プロトタイプへ試乗 1.6Lターボの新型SUV
他メーカーへ似た雰囲気のスタイリング
中国メーカーの攻勢が止まらない。チェリー自動車が、欧州での展開を前提に立ち上げた新ブランド、オモダも、グレートブリテン島への上陸が決まった。 【写真】可能性は感じるけど、「宿題」も多い オモダ5 サイズが近い日本のSUVはコレ! (129枚) オモダの特徴が、多くの中国勢がバッテリーEVのみの販売なのに対し、内燃エンジンを載せたモデルも擁すること。その点で、他ブランドより関心を引く可能性は高いといえる。今回試乗した5のボンネット内には、1.6Lの4気筒ガソリンターボが載っている。 AUTOCARでは、5の電気モーター版、E5へも試乗している。その記事をご覧になった読者もいらっしゃるだろう。まずはこの2台態勢で、英国には64か所のディーラーが用意されるという。 販売上の売りとしているのが、7年間か16万kmまでという、手厚い保証制度。2024年末には、マイルド・ハイブリッドも追加予定とのこと。廉価帯のファミリーSUV市場へ、小さくない影響を与えるかもしれない。 全長は4424mm、全幅が1830mmで、日産キャシュカイ(旧デュアリス)やフォルクスワーゲンTロックなどがライバル。ブランドの中核をなすモデルだ。 スタイリングは、過度に斬新だったり奇抜なことはなく、充分モダン。他メーカーのデザインへ似た雰囲気を感じるのは、筆者だけではないだろう。特にトヨタのデザイナーなどは、眉をひそめるかもしれない。
完成度が高くないインフォテインメント 装備は充実
車内では、ダッシュボード上のワイドなタッチモニターが目を引く。インフォテインメント・システムはアンドロイド・ベースだというが、完成度は高くない。戻るボタンはなく、グラフィックは粗めで、社外品のシステムを取って付けたように感じた。 それでも、試乗車はプロトタイプで、ソフトウエアはアップデートが控えているらしい。また、アップル・カープレイとアンドロイド・オートには対応する。 トリムグレードは2段階あるが、ベースとなるコンフォート・グレードでも、ハーフレザーのパワーシートにはヒーターが内蔵され、冷却機能付きのスマートフォン・ワイヤレス充電パッドも標準だ。アンビエントライトも備わる。 その上のノーブル・グレードを選べば、サンルーフと360度カメラなどが追加される。真っ赤なブレーキキャリパーも。試乗車はこれで、英国価格は2万7000ポンド(約518万円)が想定されているそうだ。 後席側の空間は充分広いものの、足元は限定的。身長が180cmを超えるような大人には、狭く感じられるとは思う。 荷室容量は370L。同クラスの英国での売れ筋、フォード・プーマより150Lほど小さい。ただし床下にも収納があり、奥行きは浅いものの、実際はそこまで狭くは感じられなかった。スペアタイヤも載っている。