日本古来の「たたら製鉄」再現 宇部工高生が挑戦【宇部】
宇部工高(柏村浩校長)で14~16日、古代たたら製鉄の復元操業が行われた。文化祭「山工祭」の一環で、2年生の有志64人が日本古来の製鉄法の復元操業に挑戦し、ものづくりの楽しさ、やりがいを学んだ。 古代たたら製鉄は、粘土で作った炉に砂鉄と木炭を交互に入れて、日本刀の材料となる純度の高い鉄・玉鋼(たまはがね)を作る製鉄法。島根県奥出雲町の日本美術刀剣保存協会「日本刀たたら」の堀尾薫さん(55)と岡本陸さん(34)の指導の下、生徒たちは下灰作り、炭の小割り、釜土練り、築炉、炉乾燥など一連の工程に臨んだ。 16日午前0時に火入れを始め、1時間後に砂鉄を投入。交代制で取り組み、決められた時間に炭と砂鉄を入れ、合計で炭は336㌔、砂鉄は240・8㌔にもなった。 今年で12回目。山工祭の一般公開日となった16日の午後1時半から最終工程として、玉鋼の元となるけら出しを実施。工具を用いて温度1200度の炉を上部から一辺ずつ解体していった。けらを取り出すと、写真に収める人が多くいた。 下灰を担当した機械科の三浦斗次(とおじ)君は「すべてを完璧にこなさないといけないので相当神経を使った。見ている人がいるので丁寧に素早くすることを意識し、最後のけら出しが一番大変だった。協力して作り、思いが込もったものができた」と喜んだ。