【データで見る】虎に翼の活躍も…山川穂高6月0発の「はて?」
<データで見る2024ペナント・ソフトバンク(パ1位91勝49敗3分)> プロ野球の快記録や珍しい記録からシーズンを振り返る連載「データで見る24年」。全13回で、プロ野球を球団別に12回、最終回は日本人大リーガーを記録から分析します。第11回はソフトバンク。 ◇ ◇ ◇ 山川が移籍1年目から全試合に4番で出場した。移籍1年目に全試合4番は、50年藤井(大陽→大洋)52年岩本(松竹→大洋)53年小鶴(松竹→広島)14年李大浩(オリックス→ソフトバンク)に次ぎ5人目。山川は西武時代の18年にも全試合4番でリーグ優勝。複数球団で全試合4番を達成したのは5人目で、日本人選手では落合(ロッテ、中日)金本(広島、阪神)に次ぎ3人目。「全試合4番でリーグV」を異なる2チームで経験したのは、山川が初めてだ。 34本塁打、99打点で2冠だったが、特に本塁打は0本の昨季から34本増。本塁打を前年から34本も増やしたのは8人目(新外国人は除く)で、移籍を挟んだのは04年に現指揮官の小久保(ダイエー→巨人)が記録して以来2人目だ。本塁打2位はレイエス(日本ハム)の25本で、30本以上はリーグで山川だけ。山川は22年にもリーグ唯一の30本以上を記録(41本で2位は楽天浅村の27本)したが、複数回記録したのは11、12年のバレンティン(ヤクルト)以来6人目と、周りの選手が打っていない中で量産した。 独走のキングだが、全く本塁打が出ない期間もあった。5月22日に11、12号を打ってから、13号は30試合挟んだ7月2日で、6月は23試合で0本。10試合以上に出て0発の月がありながら本塁打王を獲得したのは、14年エルドレッド(広島)以来で、パ・リーグでは72年長池(阪急)以来52年ぶりだった。1リーグ時代にも延べ13人いるが、20試合以上に出て0発の月があったのは山川が初のケースという珍記録だ。6月を含む前半戦は87試合で14本も、後半戦は56試合で20本と倍以上のペースで量産。7月2日に本塁打首位に立ってからは1度もその座を譲らなかった。【多田周平】