エリオットの住商株取得、日本の変化浮き彫り-存在感増す物言う株主
日本でのアクティビスト台頭は、ディールメイキングが活況となる中で起きている。ブルームバーグがまとめたデータによると、過去12カ月で日本企業が関与した合併・買収(M&A)は30%増の約1450億ドル(22兆6400億円)に達し、 世界的なホットスポットになっている。同じ期間に円相場は対ドルで12%余り下落し、29日には一時1ドル=160円台に急落した。
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こうした円安の中でも、一部の日本企業は積極的に国外に目を向けている。ルネサスエレクトロニクスは2月、ソフトウエア企業アルティウムを約91億豪ドル(当時の為替レートで約8900億円)で買収することで合意。積水ハウスは1月、現地子会社を通じ、米国で戸建て事業を展開するM.D.C.ホールディングス(MDC)を総額49億1400万ドル(当時の為替レートで約7262億円)で買収すると発表した。
桂木氏は「日本でのディールメーキングは活発化している。日本企業は潤沢なキャッシュを積み上げてきた」と指摘。「人口が減少している日本では、オーガニックな事業成長は難しい。彼らは国内外での買収によって成長する必要がある」と語った。
日本企業による最近の大型案件としては日本製鉄のUSスチール買収があるが、この計画は米国内で強い反発に遭っている。
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「日本は企業や規制当局、投資家が株主利益とコーポレートガバナンス(企業統治)の改善に焦点を絞る局面を迎えている」と、BDAのアクトン氏は説明。「それがM&Aの大きな原動力になっている。現在日本で見られるディールメーキングのブームは、今後5年から10年のM&A黄金時代の始まりに過ぎないだろう」と述べた。
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原題:Elliott’s Sumitomo Stake Reflects Growing Activism in Japan(抜粋)
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Manuel Baigorri