兵庫県内の公立校の不登校1万7137人で最多更新、いじめは初の3万件超
文部科学省が公表した2023年度の「児童生徒の問題行動・不登校調査」で、兵庫県内の公立小中高校で不登校だった児童生徒は、1万7137人(前年度比1560人増)に上り、過去最多を更新した。いじめ認知件数も3万3722件(同4586件増)で、初めて3万件を超え過去最多となった。(辻井花歩)
県教委の発表によると、不登校の内訳は、小学校5912人(同974人増)、中学校9937人(同698人増)、高校1288人(同112人減)。不登校状態が前年度から継続している児童生徒は、全体の48・7%にあたる計8340人だった。
不登校の理由は、小中高いずれも「学校生活に対してやる気がでない」が最も多かった。小学校では「親子のかかわり方に関する問題」も目立った。
一方、いじめの認知件数は、小学校2万6770件(同3846件増)、中学校6403件(同796件増)で増加。高校408件(同15件減)、特別支援学校141件(同41件減)は減少した。
1000人あたりの認知件数は67・6件で、全国平均(65・3件)を上回った。県教委は、いじめを積極的に認知するよう各校に指導した結果とみている。
生命や心身、財産に重大な被害が生じたり、長期欠席につながったりした「重大事態」は小学校69件、中学校60件、高校5件の計134件で前年度の約1・8倍となった。
県教委は「不登校は、地域と連携して組織的に対応したい。いじめに関しては、重大な被害に発展する恐れがある場合は警察などに相談して連携する」としている。