小関裕太“大葉”のギャップ沼にハマる…当て馬キャラの告白が刺さりまくるワケ。『あのクズを殴ってやりたいんだ』第8話考察
海里(玉森裕太)とほこ美(奈緒)のすれ違い…。
大葉と一緒にいるほこ美を街で見かけたあと、海里は「あんな笑顔見ちゃうと...」と同居人の悟(倉悠貴)の前で漏らしていた。悟も、「海里さんがそんなに本気になるなんて」と驚いていたが、わたしたちが思っている以上に、海里はほこ美の沼にハマってしまっているのだろう。 だからこそ、ほこ美の幸せを願って「今は、仕事に集中したいと思っている」なんて嘘をついてしまったのだと思う。過去に事故を起こした経験があり、そばにいてあげることもできない自分よりは、大葉の方がほこ美を幸せにすることができる。そんなふうに思ったのかもしれない。 「やり直そうとか、あるかなって...。でも、海里さんは、もう前に進んでいた」 ほこ美は、海里に言われた言葉をまっすぐに信じて、自分も前に進まなきゃと思うようになってしまった。お互いがお互いのことを考えているがゆえのすれ違いだからこそ、胸が苦しい。ほこ美のプロテストの日に間に合わなかったのも、飛行機の都合なのに。ただ、約束をすっぽかしたわけじゃないのに。海里が勘違いされたままなのがすごくもどかしい。 でも、ほこ美を解放させてあげるためにはそうするしかない...と思っているのだろう。ほこ美を拒絶するような言葉を吐露しながらも、心の奥にある“好き”が伝わってくる玉森裕太の繊細な演技に、心が締め付けられた。
ほこ美、お願いだからはやく目を覚まして!
確実に、“何か”ありそう...と思っていた悟は、やはり大地(大東駿介)の弟なのだろうか。だとしたら、故意ではないにしろ兄を殺した海里と同居しているのはなぜ? 過去に、「あの人(=海里)、人殺してるんです」と撫に明かしていた描写もあったし、大地と海里の関係性を知らないわけではないはずだ。もしかすると、復讐をするためにそばにいる...なんて可能性もあるのだろうか。 半年前に別れたはずなのに、海里は今でもほこ美のことを話すとき表情がとっても柔らかくなる。それを見抜いたほこ美の母・明美(斉藤由貴)に「なのに、素直に自分の気持ちを伝えないのはどうして?」と聞かれたとき、海里は「助けてもらってばっかりだから」と返していた。「ほっこーは割に合わないですよね。俺といるときは、いつも泣いて、辛い思いをさせてしまって...。俺じゃなければ、もっと幸せになれるはずなのに」というのが、海里の本音なのだろう。 しかし、明美が「勝手に身を引くなんて、そんなん海里さんの自己満じゃん! ほこ美の人生なの! あなたが決めることじゃないの!」と言っていたように、海里と大葉どちらといた方が幸せになるのかは、ほこ美自身が決 めることだ。 「手放したくありません」 そう気づいた海里が、ほこ美に本当の気持ちを伝えようとしたのに、ほこ美は出稽古でフックをくらって意識を失ってしまった。当初聞いていた選手ではなく、レベルが違う選手がやってきたのは、悟の仕業なのだろう。「佐藤ほこ美をKOしたら100万払います」というメッセージを送っていたのが悟だと分かった瞬間は、ゾワっとしてしまった。ほこ美よ、お願いだからはやく目を覚ましてくれ! 【著者プロフィール:菜本かな】 メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動を行っていた。エンタメとファッションが大好き。
菜本かな