小池百合子都知事「木密解消を加速する」 能登半島地震受け、防災推進計画策定へ
東京都議会第4回定例会が3日開会し、小池百合子知事は所信表明で、今年元日に起きた能登半島地震では木造住宅密集(木密)地域で火災が広がったことに触れ、「東京都も『燃えない・燃え広がらない』町づくりの強化が必要だ。木密地域の解消を加速していく」と述べた。建築物の不燃化や防災機能を備えた公園整備を盛り込んだ防災都市づくり推進計画の基本方針案を年明けに示す考えも明らかにした。 都は計36議案を提出した。小池氏は所信表明の冒頭、気候変動や経済、安全保障など、日本を取り巻く状況を挙げた上で、「日本を牽引(けんいん)する取り組みをスピード感を持って展開していく」と国をリードする姿勢を強調。また、「一人一人の夢や理想の実現を、いっそう後押しする都市へと変革し、都民の皆さまに『未来は明るい』という希望を届ける」と展望を述べた。 具体的には、世界から大きく立ち遅れているとして小池氏が「わが国の積年の課題」と位置付ける女性活躍社会の実現など、これまで力を入れてきた政策をさらに進めてゆくと力説。さらに都民が不安を感じることなく生活できるよう、「明るい未来に不可欠な安全で快適な環境づくり」もテーマに掲げた。 続けて、全国で相次ぐ闇バイト事件について「被害者のみならず加害者の人生も台無しにする悪質な犯罪だ。新たな実行犯を生まないための啓発を強化する」と話し、関係機関と連携しながら対策を進める方針を示した。 議会後の取材では、各方面で深刻化する人手不足について言及。都職員の確保も例外ではないとして、柔軟な働き方実現に向けて来年度から導入する方針のフレックスタイム制を活用した週休3日や、新たな部分休暇などを挙げた上で「隗より始めよ。まずは都庁からいろいろなことを始めていきたい」と述べた。 会期は18日まで。10日に各会派による代表質問、11日に一般質問が行われ、小池氏が7月の知事選で公約に掲げた子育て施策や、樹木の伐採が始まった明治神宮外苑の再開発が議論される予定。