米ドル、大統領選後の値動きが第一次トランプ政権時と酷似
ドナルド・トランプ次期大統領が2カ月前に勝利して以来、ドルは他の通貨に対して3%以上値上がりしており、前回勝利した2016年と同様の軌道をたどっている。 前回、米国の主要貿易相手国に対する米ドルの価値を測るDXY指数は、12月にピークに達し、その後12か月間下落し、ビットコイン(BTC)の2017年の強気相場と重なっていた。 今回は状況が異なる可能性がある。指数は下落の兆候を見せておらず、トランプ大統領の経済政策と連邦準備制度理事会(FRB)の行動がドル高を支える可能性が高い。 しかし、ドル高はリスク資産にとってマイナスとみなされているが、次期大統領はビットコインへの支持を表明しており、最大の暗号資産であるビットコインは同氏の当選以来急騰している。ビットワイズ(Bitwise)の欧州リサーチ責任者、アンドレ・ドラゴシュ(Andre Dragosch)氏によると、ビットコインは最高値に複数回届いたが、全く同じペースで上昇を続けることはないかもしれない。ビットコインは現在、12月中旬に記録した10万8300ドルの最高値近辺より約10%低い価格で推移している。 「FRBは現在、板挟み状態だ」とドラゴシュ氏はXのインタビューで語った。「ほとんど手を打たず、後手に回って米国の景気後退を招くリスクを冒すか、インフレが再び大幅に加速するリスクを冒すかのどちらかだ。」 トランプ氏は主要貿易相手国に関税を課すと公約しており、これにより世界の地政学的な不確実性が悪化し、不安時の避難先とみなされているドルの需要がさらに高まる可能性がある。 また、米国では国内総生産(GDP)が3%以上成長し、インフレ率が目標を上回っているなど、他の市場と比べて経済が好調であることも確認されており、フェデラルファンド金利は高止まりしており、2025年の利下げは2回のみと予想されている。 FRBは「2025年に利下げは2回のみと市場に伝えており、これは以前の予想より大幅に少ない」とドラゴシュ氏は述べた。「それがドル高が進み、利回りが上昇し続けている理由だ。それがビットコインにも重くのしかかっていたと思う。マクロ環境は今、逆風が吹いている」 |翻訳・編集:T.Minamoto|画像:Shutterstock|原文:Dollar's Post-Election Path Is Tracking Trump's First Presidential Term: Van Straten
CoinDesk Japan 編集部