災害時の道路寸断を想定 「住民避難の海上輸送訓練」長崎市福田地区で中学生が初参加《長崎》
NIB長崎国際テレビ
災害時に道路が寸断されると、孤立する可能性がある長崎市の福田地区で、海から人や物を運ぶ取り組みが進められています。 6日は、災害発生を想定した輸送実験に、地元の中学生が参加しました。
長崎市福田本町の長崎サンセットマリーナ。 県内屈指の広さと設備を誇るヨットやボートなどの係留施設です。 ここで行われたのが…
(長崎サンセットマリーナ 吉井健 社長) 「災害はいつどこで起きるかわからない。皆さん1人1人が、この防災授業を通じて災害に対する思いを強めてほしい」 地元・福田中学校の生徒に対する防災講座です。 海上交通と防災を研究する専門家が1年生55人に、福田地区での取り組みを説明しました。
(九州産業大学 行平真也准教授) 「福田地区は、もしかしたら道路が寸断される可能性があるかもしれないという地域。孤立する可能性がある」
市中心部から車で20分の場所にある福田地区は災害で、中心部とつなぐ国道202号が寸断された場合、孤立する可能性があります。 その際、防災拠点となるのがサンセットマリーナ。 船を使って、長崎港まで短時間で人や物資を運ぶことができることから、これまでも専門家と地元自治会と連携し、訓練を行ってきました。
中学生たちが参加するのは今回が初めてで、実際に避難する船に乗り込み、長崎港までの海上輸送を体験します。 時折 大きな波に揺られながら、高速船で移動すること約20分。
長崎港ターミナルの桟橋に到着しました。 (生徒) 「今まで乗った船の中で1番速かったからびっくりした」
(生徒) 「こういうのが災害時に(船が)使えると思ったら、結構安心した」 (生徒) 「少し揺れるけど酔うほどではないから、小さい子から高齢者まで安心して乗れると思った」
(長崎サンセットマリーナ 吉井健 社長) 「この子たちが10年後20年後、この体験をいかして防災意識を家庭の中で培ってほしい」 サンセットマリーナでは、今後、地域の高齢者などとも協力して海上輸送の訓練に臨み災害に備えたいとしています。