新型アコードはホンダの理想を追い求めたセダンだった!!! かつてのヒット作は今
新型ホンダ「アコード」に、小川フミオが公道で乗った。同社のフラッグシップセダンの印象に迫る。 【写真を見る】新型アコードの内外装など(44枚)
アコードの今昔
ホンダが2024年3月8日に発売した新型アコードは、余裕あるサイズの快適なセダンだ。 初代は1976年、初代「シビック」に3年遅れて発表された。私が覚えているのは、ホンダで初めて高い質感を感じさせるモデルだった点だ。 ハッチバックスタイルだけれど、ルーフの前後長は長めで、テールゲートは寝かせてあって、ちょっとクーペ風。室内の作りは欧州的な雰囲気があり、4本スポークのハンドルや、上がシェルフになっているダッシュボードなどまるで欧州車のようだった。 内外装の色づかいも、エレガントとスポーティのちょうど中間ぐらい。車体色の「カンヌベージュ」も、微妙なトーンが、日本車としては斬新だった。 アコードが“大きなサイズのセダン”と、認識を改めたのは、1985年に登場した3代目だ。それまでホンダは生産工場のラインの問題から(と、言われた)長めのホイールベースのクルマを作るのが難しかったようだ。 それが解決され、3代目アコードは、2代目より150mmも延びた2600mmのロングホイールベースを得た。それと同時に画期的だったのは、当時ホンダが得意とした多様化戦略。 4ドアセダンや2ドアクーペ、さらに「エアロデッキ」と呼ばれた2ドアステーションワゴンも。一般的にシューティングブレークなどと呼ばれるボディスタイルのモデルまで、ラインナップされたのだ。 そんな時代のアコードに対して、最新のアコードはワンボディ。4ドアだけだ。ただし長いオーバーハングフロントから、ボディ後端のトランクリッドにいたるまで、流麗なシルエットを特徴としていて、印象的だ。 ホンダの開発者は「アコードはセダンをあえて作ったというより、ずっとホンダが守ってきた”スポーツ(操るよろこび)”というブランドコンセプトに従ってデザインされていることのほうが強調したいポイントです」と、話している。