【中学受験のカリスマ家庭教師が教える】「あの時、もっと調べておけば…」中学受験で確認を忘れがちなポイントとは?
小学6年生にとってはいよいよ入試直前期にはいってきました。どのようにして最終的な受験校を確定するのか、きわめて大事なこの時期をどのように過ごせばよいのか……。子どもを本当に伸ばしてくれる志望校の見極め方や選び方、その志望校に合格するための効果的な「過去問対策」、直前期の過ごし方までを、大人気プロ家庭教師の安浪京子先生が詳細に説明した『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策 令和最新版』から抜粋して、そのノウハウの一部をご紹介します。 ● 「受け方」は直前期のコンディションを見て 東京・神奈川の私立中学の場合、第一志望の入試は、2月1日~3日の間にくることが多いはずです。第一志望はほとんど午前の入試になるでしょう。 ここ数年増えた午後受験は、「保険」の意味合いがあるので第二志望以下となるはずです。スケジュールを組むのは秋以降でOKです。 3年生、4年生の親御さんで、すでに「『鷗友学園(偏差値62)』と『東洋英和女学院(同61)』、受験日が同じだから、どちらにしたらいいか」などと悩んでいらっしゃる方がいますが、私は6年生の夏までは、どちらかに決める必要はないと考えています。 両方第一志望として視野に入れておき、秋以降に決定するのでも、全く遅くはありません。過去問対策は秋以降ですし、何より、お子さんの学力がどうなるかまだわかりません。そもそも試験日程自体が変わることもあります。あまり早くから決めても意味はないのです。 もし仮に、鷗友を第一志望とした場合、2月1日は東洋英和で確実に合格を取って鷗友は2月3日の2回目入試を受けるのか、それとも鷗友を1回目、2回目と受けるのかなどと、直前期のお子さんのコンディションによっても受け方が変わってきます。 ● 入試のポイント:複数回受験と難易度の違い もちろん、それまでに、本書のP.82でお話しした「複数回受験」については、必ず確認をしておきましょう。もし、複数回受験で点数が加算される学校であれば、日程を調整して複数回受けたほうが有利ですし、そうでないならば無理して組み込む必要はありません。 また、受験の回(1回目、2回目、3回目など)によって、難易度に大きな違いがあることも多いので、それは事前にチェックしておきましょう。たいていの場合、入試日が後になるにつれて、受験者層のレベルが上がって難化し、偏差値が高くなる傾向にあります。 ● 「入学金の支払い期限」はしっかり把握 ここまでは、しっかり確認されている方が多いかと思います。ところが、意外に忘れがちなのが、お金の問題です。受験日と合格発表日だけでなく、「入学金の支払期限」についても必ず確認しておきましょう。入学金の支払期限は学校によって設定が様々です。通常は、合格発表の翌日に入学手続きという学校が多いですが、例えば「海城」は2月1日午前が入試、2月2日12時が合格発表で、手続き期間は2月2日12~16時。 しかし、2月2日12時はまさに別の学校の午前入試が終わる頃で、入試会場から出てくる我が子を迎え、すぐに昼食を食べさせて午後校に移動、というケースが多いと思います。そんな中、家族で連携が取れていないと16時までの入金に間に合いません。 「渋谷教育渋谷」のように1週間以上待ってくれる学校もありますが、ここをきちんとチェックしないまま、第二志望、第三志望の入学金を払わないでいたために、第一志望が不合格で第四志望の学校に行くことになったケースもあります。 東京都の私立中学の入学金の平均は約26万3000円です。 例えば、2月2日に受けた第三志望の学校の入学手続きが2月3日だとすると、それまでに第一希望が決まっていなければ、おさえとして入学金を払い込むしかありません。 実際、「第三志望の入学金25万円を支払ったけど、第一に受かった。第一志望の結果発表があと1日早ければ……」というケースは非常に多いですが、これは受験費用として織り込んでおくしかありません。私立学校にとっては、入学金は貴重な経営資源なのです。 くれぐれも「行くかどうかもわからないのに25万円も払わなきゃならないなんて!」と子どもに当たらないように。入学金の支払期限は子どもと何の関係もありません。 *本記事は、『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策 令和最新版』(安浪京子著・ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集して作成したものです。
安浪京子