【糸井嘉男氏の眼】日本ハム躍進のワケ 昨年のエスコンフィールドでの秋季キャンプ
日本ハムがシーズン最終盤を迎えても好調だ。9月は4勝2敗。前日8日・オリックス戦(エスコン)は延長の末に敗れたものの、打線は九回に3点差を追いつく粘りを見せた。日本ハム、オリックス、阪神で活躍した糸井嘉男氏(デイリースポーツ評論家)は「チームの地力が着実に付いてきている」とうなずく。 【写真】 秋季キャンプを終えてファン30人を招いて手締めする松本剛 昨季の借金14から今季は貯金14と大躍進。糸井氏は「守備の向上も見逃せません」と解説する。札幌ドームからエスコンフィールドに移転1年目となった昨季は12球団ワーストの96失策。天然芝と土のグラウンドに苦しんだ。今季もリーグワーストながら124試合で68失策。その要因について糸井氏は「昨年、秋のキャンプをエスコンフィールドでやったことでしょうね」と見ている。 日本ハムは昨年、本拠地のエスコンフィールドで秋季キャンプを実施。11日間中9日間で“ディフェンスデー”を行い、徹底的に守備を鍛えた。前中日内野守備走塁コーチの荒木雅博氏も臨時コーチとして招いている。 糸井氏は「秋季キャンプを本拠地の球場でやるというのは、なかなか考えられないことです。それができるのがエスコンフィールド。新庄監督の本気度、アイデアが結果として表れていますね」と舌を巻く。 遊撃には2年目・水野が定着。今季は86試合に出場し、打率・217、10失策。堅実な守備でチームを支えている。糸井氏も「ショートは内野の要ですから。ケガで離脱はありましたが、守備範囲も広いし、肩もいい」とうなずく。 「新庄監督は現役時代から守備をすごく大切にされていた。攻撃だけでなく、守備でも新庄イズムが浸透してますね」 現在2位の日本ハムは3位・ロッテに4・5ゲーム差をつけ、CS出場は確実な状況だ。首位・ソフトバンクとは8ゲーム差あるが、糸井氏は伸び盛りのチームへの期待を語る。「ここからひっくり返すのは簡単ではありませんが、何が起こるか分かりません。最後まで上を目指して、一つ一つ貯金を積み上げてほしいですね」。今季はまだまだファンを楽しませてくれそうだ。