代役4番の重圧でスランプ突入 近本光司、定位置の「1番」復帰で自分のリズム取り戻せ 梅雨入りで阪神も〝悪天候〟に
【川尻哲郎「TIGER STADIUM」店主敬白】 今年の梅雨は例年より期間が短いと聞いていますが、阪神タイガースは2カ月連続の負け越し、貯金もまた底をついて4位転落と、さえない〝悪天候〟が続いています。 【写真】岡田監督は「球拾いやろ、それ」 外野でノックを受ける佐藤輝 特に6月30日のヤクルト戦は、8回に救援陣が4点差をひっくり返され悪夢の大逆転負け。岡田監督は継投の人選を間違い準備を怠った安藤、久保田両投手コーチに特大のカミナリを落としていましたが、前回のコラムで指摘したように監督、コーチ間で詳細まで意思疎通が取れていたのかどうか。しかも他球場と違い、ブルペンが丸見えの神宮球場。ベンチから指示しておけば…と思うのは私だけでしょうか。 7月2日からは首位広島と敵地で重要な3連戦です。先発は才木、大竹、村上と結果を残している表ローテで、問題視されてきた打線も大山、佐藤輝、中野がそろって復調傾向。つながりも見え始めたところで、残るは近本光司外野手です。 昨季8本塁打の〝安打製造機〟が今季は、5月中旬に早くも6号を放つなど開幕から好調でしたが、以降ノーアーチで6月は打率1割台と絶不調に。2試合欠場して6月30日の試合から先発復帰しましたが、5打数無安打と精彩を欠いたまま。一転のスランプは大山の代役で4番を務めた12試合が影響しています。 定位置の1番では出塁すること、進塁打を決めることを自分のリズムとしてきましたが、4番では自分が打って走者を還さないと、自分がこのチームで何かしないと―という重圧で、打席での構えから力んでとにかく硬い。今までなら粘って打てたのに、簡単に引っかけて凡打になるのはこのためです。でも物事は考えよう。近本君は例年、春先の調子が悪いのだから、それが今きていると思えばいい。早く1本ヒットを打って、気持ちを切り替えてほしいです。 広島とは4ゲーム差で今カード3連勝でも首位奪回とはなりませんが、今こそ挑戦者の気持ちが大事。岡田監督には育成出身2年目、先月29日に1軍デビューしたばかりの野口恭佑外野手(23)をスタメンに抜擢してぶつけてもらいたい。新戦力の彼が活躍するほど私もお客さんも祝杯が進み、そして店も繁盛する…というわけです(ホンマかいな)。 (元阪神投手、スポーツバー店主・川尻哲郎)