セブン買収巡り創業家とカナダ社「チキンレース」も 法政大経営大学院 並木雄二教授
セブン&アイ・ホールディングスに買収提案を持ちかけたカナダのコンビニ大手アリマンタシォン・クシュタール(ACT)は、ガソリンスタンド併設型のコンビニエンスストアを展開している。ガソリン車を対象にしたビジネスモデルが未来永劫(えいごう)でないことを考えると、セブン&アイが持つ食品などに強いコンビニは魅力的だ。 【グラフでみる】国内のコンビニ売上高と店舗数の推移 それだけにACTは本気で買収を仕掛けるとみられ、今後は創業家とACTの間で(互いに引けない)チキンレースの様相を呈してくるのではないか。 買収防衛のためにファミリーマートを傘下に持つ伊藤忠商事も出資するとの話がある。あくまで商社としての取引拡大につながるなど、利権として意味があるということだ。伊藤忠は国内のコンビニ業界をまとめ上げ、国際競争力を高めた上で、ファミマの本格的な海外展開を考えているのではないか。 ただ、セブンとファミマが発展継続のために必要な競争関係を保つことができるのか。そうした難しさもあるだろう。