中国IT大手・テンセント、米国から中国軍の関連企業に指定 『NIKKE』『白夜極光』など展開
アメリカ国防総省が、中国の大手IT企業・テンセント(Tencent Holdings Ltd.)を中国軍と関連する企業として指定した。 【画像】同じくアメリカでの運営が危ぶまれるTikTok この決定は現地時間1月7日に米国官報へ掲載。掲載を告知する事前発表によって明らかとなった。 なお、Bloombergの報道によると、「この指定は直接経済制裁などを行うためのものではないが、米国企業はリストに指定された企業との取り引きを控える傾向にある」と解説。 また、テンセント側がこの指定に対して「当社は軍事企業でもそのサプライヤーでもない」「リスト掲載がわれわれのビジネスに影響を与えることはない。それでも当社は米国防総省と協力して誤解に対処していく」と報じている。
ITを中心に、映画においても大きな影響力を持つテンセント
テンセントは、バイドゥやアリババ、ファーウェイと並び、中国のIT業界を牽引する複合企業。 「QQ」「WeChat」などのメッセージングサービスを開発し、それを起点に決済サービス「WeChat Pay」やクラウドサービス「Tencent Cloud」などを幅広く手掛けている。 IT部門だけでなく映画部門のテンセント・ピクチャーズも大きな影響力を持っており、『キングコング:髑髏島の巨神』『ヴェノム』『モンスターハンター』といったハリウッド映画を共同製作している。
日本で人気の『勝利の女神:NIKKE』『白夜極光』も展開
テンセントのゲーム部門である「Tencent Games」および同社が所有するグローバルブランド「Level Infinite」は、『勝利の女神:NIKKE』『白夜極光』『PUBG MOBILE』など数多くのタイトルを展開している。
テンセント、世界的ゲーム企業の株式を多数保有
そしてテンセントは、自社での展開にとどまらず多くのゲーム企業への投資や買収を行っていることでも知られている。 2015年には、『League of Legends』『VALORANT』で知られるRiot Gamesを買収。2022年には「アサシン クリード」シリーズなどで知られるUbisoftへ多額の投資を行っており、2024年には同社を買収する意向を示したことが話題となった。 その他、『Fortnite(フォートナイト)』やゲームエンジン「Unreal Engine」を手掛けるEpic Gamesの株式を40%保有。日本企業でも、恋愛アドベンチャーゲームブランド「Key」で知られるビジュアルアーツを2023年に買収しているほか、フロム・ソフトウェアなどの株式を取得している。
小林優介