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（ブルームバーグ）： キリンホールディングス（ＨＤ）は、ファンケルに対する株式公開買い付け（ＴＯＢ）の期間を延長し、９月11日まで応募を受け付けると発表した。今回で延長は３回目となるが2800円の価格は変更していない。

キリンＨＤは延長の理由について、「法及び府令の規定に基づく義務の遵守のため」だと説明している。

ＴＯＢのさなか、香港のヘッジファンド、ＭＹ．アルファ・マネジメントＨＫアドバイザーズはファンケル株を買い進め、関東財務局に提出された変更報告書によると22日時点で保有比率を9.94％まで引き上げた。キリンＨＤによると、ＭＹ．アルファの議決権の数に対する割合は、同日時点で10.69％まで上昇している。

香港ファンド、ファンケル株10％弱まで引き上げ－キリンの最後通告後

金融庁の担当者によると、ＴＯＢ対象者に議決権比率10％を超える主要株主が現れた場合には、10営業日の買付期間を確保する延長義務が発生する。キリンＨＤは今回の延長を決めたのはこのためだ。

28日現在、ＴＯＢへの応募株は約5062万株（41.63％）と、ＴＯＢ成立の下限として設定した約4112万株（33.82％）を上回っている。

決算発表と同日に開催された６日の会見で、キリンＨＤの南方健志社長は、ＴＯＢが成立しなかった場合について、「別の海外アセットの取得検討、あるいはブラックモアズへの投資強化など、ヘルスサイエンス戦略の選択肢を検討していく」と述べていた。

ファミマの事例

今回の延長は法に基づく義務を守るためであり、「任意に再度の公開買付期間の延長を行うことはない」と姿勢に変わりはないという。

キリンＨＤが提示しているＴＯＢ価格の2800円は、ＴＯＢ発表前の６月13日終値（1884.5円）に対しては５割近いプレミアムだが、５年前にファンケルの創業者らに支払った3270円より安い。

延長されたＴＯＢが最終的に約4112万株集めるかどうか分からないが、仮に成立した場合、キリンＨＤは完全子会社化に向けてファンケル株式を併合するための臨時株主総会の要請をする予定だ。