【40代50代にこそ大切な「自分軸」の作り方とは?②】「自分を取り戻す」ために有効なワークを紹介します
他者の言動にフォーカスせず、 自分の心にある「なぜ?」に注目して
──── なるほど。そこで例えば「仕事を少し休みたいな」という本心の第一声が出たとすると、その次はどうすれば? OCO:そこからは、「なぜ休みたいと思っているのだろう」 →「抱えているタスクが多すぎて疲れている」 →「なぜ自分はたくさんのタスクを抱えているのだろう」 →「人に任せるのが不安だと思っている」 →「なぜ自分は人に任せるのが不安なのだろう」 …というふうに、出てきた本音の声に対して、「なぜ?」「なぜ?」と根源にある本心へ向かっていくプロセスを繰り返してください。 自分について「なぜ」を深堀りしていく際に重要なことは、「そこに、他者を介入させない」ということ。 誰かが介在した状態で、「なぜあの人は、ああいうふうに言ったんだろう」「なぜあの人は、ああいう表情を私に向けたんだろう」などと考えても、当然ながら、自分の中にその答えはありません。 他者の答えにフォーカスせず、「私はなぜ、あの人の言動に対して反応するのだろう」「なぜあの人の表情に、モヤモヤする感覚を覚えるのだろう」と、「なぜ自分は~」という視点で掘り下げていくことがポイントです。 すると普段は気づかない、心の中でフタをしていた自分の本心が、ふわりと浮かび上がってくるのです。
自己対話ノートを用意して、 余白の時間に、書き出してみましょう
──── 他者の真意に思い巡らすのではなく、「自分を観察する」ということですね。 例えばパートナーが全然家事を手伝わない、ということに対してイライラしている場合、「なぜあの人はゴミ捨てすらしないのか」と考えるのではなく、「なぜ家事をしないパートナーに対して、私はイライラの反応がいつも出るのか」というふうに、自分の心を観察する。 OCO:その通りです。自分自身の中に何か反応する事象があり、それがストレスになっているのだとしたら、その問題は自分で対処することができる、と言えます。 先述のように、「なぜ」をひとつひとつ分解してみると、家事のタイミングがその人にとってはベストではなかったり、キャパシティを超えていたり…実は、悩みの根本原因は、手伝わない他者のせいではなくて、「自分が気持ちよく対応できる範囲」を超えていて、そこを明示していないせいだった、ということが見えてきます。 これは家事に限らず、仕事や子育て、介護など、すべてのジャンルにおいて言えるのではないでしょうか。 ──── 自分はどこまでは「やりたい」と思っていて、どこからは「やりたくない」のか。そこを深く考えずに完璧主義に走ってしまうと、たしかに疲弊するし、イライラもしてしまいます。自分の本心がわかれば、それを周囲に明言し共有することで、一件落着となることは多いのかも! OCO:頭で考えていると、感情的になってしまったり、無自覚に他者を介在してしまったりしがちです。そこで、自己対話用のノートを用意して、そこに問いや答えを書き出して自分の内側を可視化していくのもおすすめです。 できる限り余白のある空間で、コーヒーの香りやアロマなど、ご自身が落ち着く、心地よいと思える環境の中で行ってみてください。 意外に体力や気力が必要な作業ですから、夜寝る前よりも日中のほうが、集中して自分に向き合うことができます。 「なぜあの人はいつも~なんだろう!」「ムカつく!」など、思考がぐるぐるして止まらない時にも、他者を介在させていることに気づくことができるツールになります。また自らの気持ちを書き出すだけで気持ちがスッキリし、本心に向かって深掘りする中で感情も整理されていきます。とても有効に作用するワークとなります。