国際コンペの意義や目的を説明する群馬県の山本一太知事＝24日、同県庁

群馬県は24日、JR前橋駅から県庁まで続くメインストリート約1・5キロの沿線都市空間を活性化させるための国際デザインコンペを実施すると発表し、同日から募集を開始した。最優秀作品の賞金は国内最大級の総額2500万円。 【地図でみる】国際デザインコンペの対象となるJR前橋駅前から群馬県庁までの1・5キロのメインストリート 対象の1・5キロは交差点により県道、国道、市道に分かれるが、最大片側3車線の幹線道路。ただ前橋市は県庁所在地ながら、上越新幹線通過駅を持たないことなどから、駅前の人通りは閑散としており、賑わい創出は長年、県と前橋市共通の課題だった。 前橋市はこれまで対象の1・5キロ区間以外も含め民間主導の街づくりを進め、部分的な賑わい創出も実現しつつあるものの全体としては「点」段階で、「線」でつなぐ契機として、国際コンペが提案された。 特に対象の1・5キロにある変則五差路交差点は、こみ入った歩道橋があるだけで、通行人には利用しづらく「歩きたくなる道」の大いなる障害となっている。さらに、県庁までのメインストリートはレベル4の自動運転車両運行に向けた取り組みが進行中で、新たな交通環境の変化にも対応していく必要もある。 県都市整備課では「これらの問題をバラバラに対応していくと、統一感のない都市空間が形成される恐れもある」。山本一太知事も同日、定例会見で「トータルな都市空間デザインが必要」とし、メインストリートを「できるだけ公共交通と通行人中心のウォーカブルな道路空間に変貌させ、賑わいと触れ合いを創出させたい」と語った。 提案締切は12月13日（参加登録締切11月22日）。書類による1次審査通過5作品（賞金100万円）を12月下旬に発表。市民に公開展示し、プレゼンテーションも実施して来年3月下旬に最優秀作品を決める。詳しい募集要項は、群馬県の公式ウエブサイトに掲載している。