REBECCA、DREAMS COME TRUEのデビュー・アルバムから読み解く女性のロックのはじまり
彼女たちがいかに諦めてこなかったか
静かな伝説 / 竹内まりや 今流れているのはこの番組の後テーマ、竹内まりやさんの「静かな伝説」です。 先週のX JAPANからGLAYまでも5年間あったのですが、今週もREBECCAのデビューからDREAMS COME TRUEまで5年あったんですね。やっぱり5年経つと時代が変わる、音楽の流れが変わるということのいい例ですね。 両方とも半年間に2枚のアルバムを出して、その中で次の姿が見えてくる。「フレンズ」が1985年の10月に出たときに、ロックがそれまで縁のなかった女の子に聴かれていくようになるんだなと思ったんですね。10代の女子の思春期の気持ちをこんなふうに上手く歌ったロック、ポップスというのは、ユーミンの独壇場でしたけど、やっぱりバンドでしたからね。 カルメン・マキさんがデビューした当時、1975年だったと思うんですけど、雑誌「ニューミュージックマガジン」が「女にロックはできるか」という特集を組んだんです。REBECCAのデビューの10年前ですよ。やはり1985年にSHOW-YAがデビューしているのですが、1982年にコンテストで優勝してもデビューできなかったんですね。女のバンドはだめでしょう、上手くいかない、寺田恵子のソロならいいよ、でも寺田恵子さんはバンドでやるんだということで時間が経ってからデビューするんですね。 で、REBECCAの後にプリンセス・プリンセスですね。やっぱりそれまでは男性の目から見た女性のロックだった。女性が自分たちの歌を歌うんだ、バンドでやるんだという狼煙が上がったのがREBECCAでしょう。バンドブームが始まりました。この後にBOØWYがさらに火をつけるのですが、REBECCAが最初でした。そういう下地があってのDREAMS COME TRUEだったと思っていただけるとうれしいです。周年アーティストのデビュー作を聴くというのは、なかなか思うようにならないことをどう乗り越えたか知ることでもあるんだと思うんですね。彼女たちが「みんな諦めちゃいけないよ!」というのは、いかに諦めてこなかったかというのを知ることによって、あらためてなるほどなと思うわけで、その答えがデビュー・アルバムにあります。 <INFORMATION> 田家秀樹 1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。 「J-POP LEGEND CAFE」 月 21:00-22:00 音楽評論家・田家秀樹が日本の音楽の礎となったアーティストにスポットを当て、本人や当時の関係者から深く掘り下げた話を引き出す1時間。 OFFICIAL WEBSITE : OFFICIAL Twitter :@fmcocolo765 OFFICIAL Facebook : @FMCOCOLO radikoなら、パソコン・スマートフォンでFM COCOLOが無料でクリアに聴けます! →
Rolling Stone Japan 編集部