不動産含み益25兆円、日本企業に関心高まる-投資ファンドが照準
ジョーンズ・ラング・ラサール・ジャパンのシェイ・グリーンバーグ氏は「企業が保有する不動産の価値を把握するための助言業務が増えている」と語る。「日本企業は伝統的に資産を多く抱えている。長期間保有している資産は減価償却後の簿価と市場価格が大きく異なることが多く、日本の不動産はアクティビストやPEファンドにとって格好のターゲットになっている」という。
PEファンドがそうした企業を買収し、不動産を売却するケースは実際に出ている。KKRは2023年に旧日立物流(現ロジスティード)を6700億円で買収した後、同社が保有する倉庫群を2000億円以上で自社の不動産資産運用会社であるKJRマネジメントに売却した。また、20年にベインキャピタルが900億円で昭和飛行機工業を買収した後、所有していたゴルフ場を推定1300億円で売却したと報じられた。
保有資産の軽量化を進める企業もある。西武ホールディングスは、旧赤坂プリンスホテル跡地に建設した「東京ガーデンテラス紀尾井町」の売却手続きを進めており、その取引額は4000億円を超える可能性がある。
ゴールドマンのカーク氏は「余剰資金を株主に還元するという簡単な方法は既に実現している。現在はより洗練された価値の創出に取り組んでいる」とした上で「現時点では不動産の含み益という観点が非常に興味深い」と語った。
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Lisa Du