【韓国旅客機事故】“鳥の巨大な群れ”に衝突か 手動で出せる車輪出ず…衝突した壁はコンクリート 元JAL機長語る「論外、信じられない設計」
防げなかった「バードストライク」
事故の大きな原因と考えられる「バードストライク」。 事故が起きた務安空港は、韓国国内の他の空港と比較しても、バードストライクの発生率が高い場所としても知られる空港だったといいます。 また、定期巡回を行い銃器(空砲)や煙火などで鳥を追い払ったり、滑走路内の草を刈り鳥の餌になる虫の繁殖を防ぐなど「バードストライク」対策を行う担当者は、わずか4人。 他の発生率が高い空港と比べても5分の1ほどでした。 元JAL機長 塚原利夫氏: 数字だけ見ますと少なく見えますが、務安空港は旅客機の発着よりも小型機の発着が多いんです。ですから、実際の中身を見ると大型機に対する影響より、小型のプロペラ機が多いと、訓練空港にもなっておりますから。そういうことから総合的に韓国政府として当局が判断した妥当と思われる数が4名ということはないかと。発生したとしてもダメージが少ないと。 ――旅客機向きの空港ではなかった? 滑走路の長さからいえば十分な旅客機向きの滑走路、ただこの空港の周りは水辺が非常にきれいなところで、韓国の南は渡り鳥がちょうど通過をしてシベリア方面に上がっていくコース上にある空港だったということですね。そういうことも複合していて、鳥が多い。その結果のバードストライクと。 ――渡り鳥が通る場所に空港を造るのは危険に感じるが基準はあるのか? 特に鳥に対する基準で空港の設置を考えるということは、ありません。 (バードストライクは)日本でも大体年間1300~1500件発生していますが、それが直ちにこのような事故につながるかということになりますと、それは別の問題になってきます。鳥は自由に飛んでいるわけですから人の手によって制御することはできません。表現は悪いかも知れませんが「いたちごっこ」なんですね。 場合によっては鳥の群れが飛来したときには、離着陸を見合わせるということもございます。これは国内の空港でもあることですね。 ――鳥の群れが発生していて着陸を避けなかった理由は? この(写真の)大群が空港の滑走路にいたとすれば、それに対して管制塔から「鳥の群れがいますよ」「了解しました」目で見たら本当にいた。だから着陸をやり直しましょうということになったのかもしれません。