アウディ「RS3」改良新型発表! ニュルブルクリンク北コースでクラス最速のラップタイム7分33秒123を達成!!
アウディはこのほど、高性能コンパクトモデル「RS 3スポーツバック/セダン」の改良版を発表した。地元ドイツでは、8月末から注文受付開始し、10月にはショールームに展示される予定だ。エッジが際立つスポーティなエクステリア 新しいRS3はさらにスポーティな外観に生まれ変わった。フロントデザインマスクは際立ったエッジを持つ六角形のシングルフレームが目をひく。これまでよりもフラットで広くなり、ボリューム感のあるダイヤモンドパターンのグリルによってコンパクトなスポーツカーの躍動感を強調している。 縦の黒いブレードで強調されたふたつの機能的なサイドエアインテークと、フロントスプリッター上の3つの開口部も同様で、今では車両の全幅にわたって広がり、RS 3をさらに低いスタンスにしている。これは1987年の「アウディ スポーツクワトロS1 パイクスピーク」を彷彿させる。 進化したデイタイムランニングライトにより、ヘッドライトもパフォーマンスを際立たせている。24個のパーツから成るRS3のデジタルシグネチャーはチェッカーフラッグをイメージ。さらに、マトリクスLEDヘッドライトとの組み合わせで、ドライバーは3種類のデイタイムランニングライト発光パターンをMMIタッチディスプレイから選択するという初めての機能が加わった。 リヤビューもモータースポーツを彷彿とさせるデザインとなり、以前よりもはるかに強い存在感を放つ。縦に配置されたサイドリフレクターは、フロントのエアインテークデザインに合わせている。大きなRS専用のディフューザーの中央には赤いリフレクターが組み込まれ、その両側にはRSエキゾーストシステムの楕円形テールパイプトリムを配置。ブラックフレームによりさらに大きく見せている。 ヘッドライトと同様に、テールライトにも新しいグラフィックを採用。ホーム・カミング/リービング・ホーム機能では、矢印が内側から外側に向かってダイナミックに点灯し、先進的なテールライトデザインを体現している。 印象的な外観は、RS専用のボディカラーであるキャラミグリーンとケモラグレー、新しいメタリックペイントのアスカリブルーとプログレッシブレッド、そして初導入となるマット仕上げのデイトナグレーによって際立っている。シングルフレームとディフューザーは、ハイグロス(光沢)またはマットブラック(艶消し)仕上げから選べる。 このテーマの延長で、RS3には標準でマットブラックの19インチ5本Yスポークデザインホイールを採用。オプションで、RS3パフォーマンスエディションでお馴染みのモータースポーツデザインのリムが、マットダークグレーまたは光沢のあるメタリックブラックのバイカラーで用意され、10本のクロススポークを際立たせる。 カーボンおよびハイグロス ブラックパッケージでは、フロントエアインテーク、サイドスカート、ディフューザー上のブレードの装飾がさらに個性を際立たせる。これに加え、ボディ同色、ブラック、またはカーボンのミラーハウジングが用意されている。 ブラック基調にレッドとカーボンのアクセントでスパルタンに インテリアも全体的にダークな色調で、新しいステアリングホイール、RSスポーツシートまたはRSバケットシート、カーボンによる装飾、スポーティなディスプレイなどのすべてがパフォーマンスにふさわしいデザインになっている。 ステアリングホイールは上部と下部がフラットになっており、非常にスポーティ。標準のパーフォレーテッドレザーまたはオプションのダイナミカレザー(ステアリング上部12時位置にアクセントカラー付)で、RS3を鋭いコーナリングで操る際に、手にしっくりと馴染む。 オプションのRSバケットシートは、さらに優れたサポート性を提供する。中央にRSハニカムステッチが施されたシートは、マイクロファイバー生地のダイナミカが使用され、サイドボルスターにはパールナッパレザーが施されている。ヘッドレストの下には大きなRSバッジの付いた黒いテーパー状のインサートがあり、マットカーボン製シートバックレストの裏面と相まって、RS3のスポーティさを強調している。 12.3インチのアウディバーチャルコックピットプラスは、標準で「Sport」「Performance」「Runway」の各表示モードを備えている。Runwayモードでは、エンジンの最高回転数が手前に、アイドル回転数を背景に、通常とは逆に表示。これに新たに加わったのが、インストルメントクラスターの中心に目立つように表示されるレヴカウンター(エンジン回転計)だ。さらに、パワー、トルク、Gフォース、加速、ラップタイムの表示も新たに追加されている。 マニュアルトランスミッションモードでは、RS専用の点滅するシフトインジケーターの回転数の表示が、緑から黄色、赤へとモータースポーツスタイルのカラーで変化し、最適なシフトタイミングを示す。加えて、水温、トルクスプリッター、ブレーキ、エンジンオイル、トランスミッションオイルの温度範囲が、インストゥルメントパネル内の10.1インチタッチディスプレイにカラーで表示される。 オプションでタイヤ空気圧も表示可能だ。さらにRS 3には、直接車両ディスプレイで使用できる多くのアプリケーションが、アプリストアに用意されており、選択したコンテンツはスマートフォンを介することなくRS 3のインフォテインメントシステムにインストールされる。 伝統の直列5気筒ターボがもたらす豊かなパワーと官能的なサウンド エンジンは従来モデルからキャリーオーバー。400ps/500Nmを発するアウディスポーツの伝説的な2.5L直列5気筒ターボだ。このエンジンにより、RS3は停止状態から100km/hまでを3.8秒で加速し、最高速度は290km/hに達する。 数々のモータースポーツで功績をおさめた受賞歴を誇るこの5気筒エンジンは、アウディで最もエモーショナルなエンジンのひとつであり、RS3のドライビングエクスペリエンスを比類のないものにしている。 とくに、1-2-4-5-3の特徴的な点火順序に基づく独特なサウンドが特徴だ。隣接するシリンダーと非隣接のシリンダーが交互に点火し、力強いリズムとキャラクターを生み出す。これが、可変フラップ制御付きのツインRSエキゾーストシステムにより絶妙に調和。アウディドライブセレクトのダイナミック、RSパフォーマンス、RSトルクリヤモードでは、さらに音のボリュームが増し、特徴的なサウンドが際立つ。 加えて、エキゾーストフラップ制御は2200~3500rpmの範囲で最適化されており、選択するモードに関わらず、一貫して豊かなサウンドを生成。アウディスポーツはA3ファミリーのトップモデルとして、エモーショナルなドライビングエクスペリエンスを強化している。特に、オプションのRSスポーツエキゾーストシステムと組み合わせることで、その効果がさらに高まる。 これまで以上に正確にコーナーをトレースし、圧倒的なスピードで駆け抜ける RS3のストレートでの速さは、主要な競合モデルを常に上回る加速性能データを見れば一目瞭然。一方で、コーナリング性能は数字で表現することが難しく、ドライビングフィールがより重要となる。 アウディスポーツのレーシングドライバー、フランク・スティップラー氏が、ニュルブルクリンク・ノルトシュライフェ(北コース)で新しいラップタイム記録を樹立することにより、その重要性をアピールした。スティップラー氏は、7分33秒123というタイムを記録し、これまでのクラス記録(※)を5秒以上も上回った。これにより、RS3は再びニュル最速のコンパクトカーとなったのである。 ※改良前のアウディRS3が記録した7分40秒748を2023年8月31日に破ったBMW M2の7分38秒706。 この驚くほど高い車両運動性能のベースは、リヤホイール間で完全に可変トルク配分するトルクスプリッターと、電子スタビリティコントロール、ホイール選択トルク制御(ブレーキトルクベクトリング)、そしてRSスポーツサスペンションのアダプティブダンパーの相互作用にある。 これらのコンポーネントは横方向のダイナミクスに関連し、モジュラー・ドライビングダイナミクスコントローラーでネットワーク化され、データの同期が行われる。さらに進化したアルゴリズムにより、これらのシステムはそれぞれの運転状況に対してより鋭く反応。選択されたアウディドライブセレクトモードに応じて、ドライバーはRS3をより速く、より機敏に、コントロールを保って運転することができる。また、路面摩擦係数が低い条件下では、これらのシステムの相互作用が、安定性も向上させる。 RS3は、コーナリング性能がさらに向上し、コーナー入口でのアンダーステアを回避し、より意のままにターンするようになった。これは、ブレーキトルクベクトリングを含む細やかな調整によるものだ。内側の車輪の繊細なブレーキ介入により、これまで以上にコーナーを正確にトレースし、部分負荷やオーバーランにおいてもアペックス(コーナー曲線の頂点)から出口に向けてより早く、より良いコース取りが可能になる。 つまり、ドライバーはRS3をより早く加速させ、より速いスピードでコーナーを通過することができるわけだ。向上した横方向のダイナミクスは、特にサーキットにおいて印象的で、ESCを無効にした状態でその性能が最大限に発揮される。 一方で、改善されたアルゴリズムにより、オーバーステアにも進化が見られた。これまでは、オーバーステアは主にアクセルを踏み、負荷を高めて発生していたが、現在ではステアリング角度によってより簡単にオーバーステアを起こすことができる。これにより、ドライバーは同じドリフト角をより速く得ることができるようになった。
MotorFan編集部