インフルエンザ予防は「30秒」あればいい 「家に帰ったら」「調理の前後に」すべきコト
季節性インフルエンザは例年11~12月頃に流行が始まり、1~3月にピークを迎える。寒さのため、体温が低くなり代謝機能が低下、免疫力も弱くなるからだ。ウイルスの侵入を防ぐ鼻やのどの粘膜が乾燥によって傷み、ウイルスの感染が起こり易くなる。厚生労働省によると、2024年は1年を通して流行した2023年を除くと2009年に次いで2番目に早くやってきたという。 【画像】「正しい手洗い」覚えておきたいやり方 ■6つの手順を覚えておこう インフルエンザの基本的な感染対策はまず、手洗いとマスク着用、そして人前で咳(せき)をしないエチケットである。 このうち「マスク着用」を徹底していれば、「咳エチケット」も守られるが、手洗いはしっかりしたやり方を確認しておく必要がある。 東京都保健医療局のウェブサイトによると、正しい手洗いの方法として6の手順を勧めている。 1・流水でよく濡らした後、石けんをつけ手のひらをよくこする2・手の甲を伸ばすようにこする3・指先、爪の間を念入りにこする4・指の間を洗う5・親指と手のひらをねじり洗いをする6・手首も忘れずに洗う これを30秒程度で行うのが目安だ。外出先からの帰宅時や調理前後などこまめに行うと良い。また、アルコールを含んだ消毒液で手を消毒するのも効果的だという。
うがいは意味がない?
では「うがい」はどうだろう。必須かと思いきやそうでもない。 首相官邸の「インフルエンザ(季節性)対策」のページにこう書かれている。 「うがいは、一般的な風邪などを予防する効果があるといわれていますが、インフルエンザを予防する効果については科学的に証明されていません」 洗剤大手の花王(東京都中央区)のウェブサイト「花王の顔」にも「うがいによる予防効果はインフルエンザについては科学的に証明されていない」とある。 なぜ、うがいが効果的ではないのか。静岡県病院協会のウェブサイトによれば、インフルエンザウィルスが細胞の中に入るのはわずか20分。例えば、電車に乗っていて感染者の咳を吹きかけられたら、20分以上乗っていれば既に感染した状況になっている。そのためうがいの有効性に疑問がつくという。 うがいだけではインフルエンザは防ぎきれない。正しい手洗いをこまめにしっかり行うことが大事だ。 (リサーチ班 大山雄也)