加古川小2女児殺害 「未解決の恐怖」続いた住民 45歳男の関与示唆知り安堵
発生から17年。兵庫県加古川市で小学2年の鵜瀬(うのせ)柚希さん=当時(7)=が刺殺された事件は6日、別事件で服役中の男(45)が関与をほのめかしていることが明らかとなった。見えぬ犯人像、先細る情報…。幼い女児が自宅前で殺害されるという凶行が長く未解決だったことで、現場周辺の住民らは不安を募らせてきた。「早く解決してほしい」。事件の急展開に住民からは解決を願う声が聞かれた。 【画像】小4女児が襲撃された事件の現場近くの防犯カメラに写った男 事件が発生したのは、平成19年10月16日午後6時ごろ。鵜瀬さんは加古川市別府町新野辺の自宅に、約500メートル離れた公園から1人で自転車で帰ったところ、玄関前で何者かに腹部や胸部付近を刺された。病院に搬送される際には「大人の男にたたかれた」という趣旨の話をしたとされる。 兵庫県警は延べ5万人超の捜査員を投入。周辺の不審者を捜査するなどしたが、有力な情報や物証は得られなかった。その後も、事件発生時期に合わせたビラ配りなどで情報を求めたが、捜査は進展しないまま年月が流れた。 「悲惨な事件が解決に向かう可能性がある。本当によかった」。発生当時、現場付近に住んでいた女性(51)は6日、率直に安堵(あんど)の表情を浮かべた。 鵜瀬さんが遊んでいた公園を子供と利用していたといい、「同い年の子供がおり、つらかった。犯人がまだ狙っているかもしれないという恐怖が常にあった」と振り返る。子供が小学校に通っていた当時は「知らない人についていったらだめ」と言い聞かせ、防犯ブザーを携帯させていたという。 事件後、現場周辺では子供の見守り活動が強化され、有志らによる登下校時や夜間の防犯パトロールが定着。人通りの少ない場所や公園などには防犯灯や防犯カメラが多数設置されたが、「未解決」の恐怖はぬぐえず、夜間の人通りは極端に少なくなったという。 別の住民女性(77)は「柚希ちゃんの人生が台無しになった」とし、「これで安心して住める街になってくれたら」と願った。 一方、加古川の事件から1年余りの前の18年9月、同県たつの市で小学4年の女児が襲われた事件も、有力な情報がないまま長い時間が経過。県警は、リュックサックを背負う不審者が写った現場周辺の防犯カメラ映像を公開するなどし、情報提供を呼びかけていた。