新たな「スポーツエンジン」開発を得意技で推進!内燃機関の新たなステージを切りひらくスバル、トヨタ、マツダの取り組みは「エコ」なだけじゃなかった
それでは続いて、各社の取り組みについて少し詳しく紹介しましょう。
スバル「SUBARUらしさを継承する次世代ハイブリッドシステム」
新しいパラレル・シリーズハイブリッドシステムを展示したスバルは、取締役専務執行役員 兼CTO 藤貫哲郎氏によるプレゼンが行われました。 冒頭、藤貫CTOは「クルマは単なる道具よりもっと親密なもの。だからいろんな種類がなきゃいけない」と強調。多様性が求められる中でスバルが「違いを際立たせる」ための戦略として、シンメトリカルAWDとターボエンジンをこれからも残していくための取り組みに注目していることを明らかにしました。 プロペラシャフトで連結された4輪駆動の高い安心感や、水平対向ターボエンジンならではの「味や艶」に対するこだわりにこそ、スバルのエンジニアが目指すべきものがある・・・スーパー耐久シリーズに新たに投入されるWRX S4ベースのST-Qクラスマシンには、スバルらしい「スポーツテイスト」に対する、強い想いが込められているようです。 次世代ハイブリッドシステムについては埼玉製作所において、トランスアクスル生産体制の刷新を図る、とのこと。DX推進、ダイバーシティ、物流体制の改善といった環境整備に取り組むことで、働きやすさも向上させていくことを目指します。
トヨタ 「ハイブリッドはエンジンの弱点を補うための技術ではない」
トヨタからは、1.5L NAと2Lターボ、ふたつの新しい直列4気筒エンジンの技術モデルが展示されました。 プレゼンを行った取締役副社長 兼CTOの中嶋 裕樹氏は環境性能を高めることはもちろんのこと、エンジンの小型化、軽量化によって、BEVが得意とする低ボンネット(カウルポイントは約100mm下げられるそうです)でスタイリッシュなフォルムをICEでも再現したかった、と語ります。 展示されたパワートレーンとは別に開発が進む1.5Lターボユニットも含めて、次世代直4ユニットは体積や全高が従来比で10~20%も低減されています。同時にあえてショートストローク化することによって、電気モーターの存在感をより高めた「電気リッチ」な仕様にも対応しやすくなっているそうです。 ファミリーカーからスポーツカーまで、さまざまなカテゴリーで幅広く搭載可能なエンジンレイアウトとして、直列4気筒エンジンに新たな日を当てようとしているトヨタですが、やはり気になるのは「ショートストローク」ゆえに味わえるスポーツエンジンとしての官能性能でしょうか。 ちょっと懐かしい感じがする「赤いヘッド」の市販化も、ぜひ期待したいところです。
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