頭上高くつるされた染め物 伝統技法で言葉にできない滑らかさ 日本の浴衣生地の4分の1が柏原で作られていた 【兵動大樹の今昔さんぽ 関西テレビ「newsランナー」】
■伝統の「注染」の技法をいまも続ける「神奴染工場」
今回の写真は、染め物の工場で、横の川で染めた布を洗って干している様子だとのこと。教えてもらった川沿いの神奴染工場へ行ってみます。神奴染工場の創業は明治末期頃とのことです。 【兵動さん】「この写真なんですが…」 【神奴染工場 神奴典児さん】「うちはこっち(左側)です。見て分かります」 【兵動さん】「この川で染めたの落としていたんですね」 【神奴染工場 神奴典児さん】「(布を洗うため)さおで振ってました。さお振り(ぶり)いうてたかな」
まず白い生地に型紙をかぶせ、その上から防染のりを均一に塗る作業をします。生地を1枚1枚折り返し、この作業を50回ほど繰り返します。のりを付けた部分には染料が染み込まないので、白く残ります。さらに防染のりで囲いを作り染料を注ぎ込み、生地に浸透させることで何十枚も同時に染めることができます。 染め終わってから、薄茶色の防染のりを水で洗い流します。洗い流すと染まっていない部分が真っ白になります。脱水機で水分を飛ばし、脱水できた布を高い所からつるして干します。
【兵動さん】「(機械から脱水した布を取り出して)次、どこ行きますの?」 【神奴染工場 神奴典児さん】「干しますねん」 【兵動さん】「(干し場の天井を見上げて)高っ。あの上から干してんのか。(神奴さんが)上にあがってる。マジ。えらい高い場所の丸太の上を歩いている。大丈夫?」 【神奴染工場 神奴典児さん】「大丈夫です。落ちる心配はないから」 【兵動さん】「これ写真で見た、『つるしていたやつ』ですね」 【神奴染工場 神奴典児さん】「昔は外で干してましたから、雨降ったら急いで上まであがって、布を下ろしてました。昔は天気予報がよう外れてた」 【兵動さん】「イチかバチかで干してたんや」
■昔は外につるして干していたが雨だと大変 今は屋内につるすように
写真は、大和川の土手の上から、染め物の工場の方を向いて撮った写真だと分かりました。 【兵動さん】「この辺りか。はいチーズ」
【兵動さん】「注染という染め方があって、よく汗を吸ってくれる昔ながらのすてきな手拭いなんかを作っていました。新しいデザインを取り入れたりしていて、今と昔の染め物が見られましたね。皆さんも一品どうですか」 (関西テレビ「newsランナー」 2024年3月15日放送)