頭上高くつるされた染め物 伝統技法で言葉にできない滑らかさ 日本の浴衣生地の4分の1が柏原で作られていた 【兵動大樹の今昔さんぽ 関西テレビ「newsランナー」】
■たばこ屋さんもお肉屋さんも、「染め物」だという
【兵動さん】「こんにちは。(精肉店の軒先に『Since1922』と書かれていて)1922年からやられているんですか?」 【西畑精肉店 店の人】「毎週(兵動さんのコーナー)見てるよ。これ(写真)あれやな、染色さんやな。川の色が変わるぐらい繁栄してたからね」 【兵動さん】「川で洗ったりしてたんや」 【西畑精肉店 店の人】「昔は公害なんて言わないから。繁栄してる証拠。昭和30年ぐらいはね」 染色にはきれいな水が必要だったため、柏原を流れる川筋にはたくさんの染色工場が立ち並んでいたのだそうです。当時は漂白した木綿を乾燥させるため、大和川の堤防で乾かす様子が見られました。 【兵動さん】「染め物に詳しい人はいます?」 【西畑精肉店 店の人】「2軒隣に手拭い屋さんがあるから聞いてみて」
てぬぐいCHILL(チル)では、オリジナルの手拭いや、CDジャケットを手掛けるアーティストにデザインを依頼した手拭いなどを制作・販売しています。 【兵動さん】「この手拭いの染めは柏原ですか?」 【てぬぐいCHILL 三上翔さん】「はい。柏原の染め屋さんを中心に染めています。『注染(ちゅうせん)』という染め方です。他はプリントが多かったりする。プリントですと色がついている所がゴワゴワになるんですけど、注染だと色が付いている部分も滑らか」 【兵動さん】「(生地を触って)滑らかで、いいわこれ。触ってもらわな分からへんな。ごっつええわ、つるつるしていて」 注染とは、生地に染料を流し込み、生地の両面を染色する技法。その時、染めたくない部分は「防染のり」で置くことで、染料が染み込まず白く残るのです。注染で染めた手拭いは、糸から染めるため生地の手触りが滑らかで、吸収性もよいのが特徴。最近では、帽子の裏地などに使うことも多く、人気なんだそうです。 【てぬぐいCHILL 三上翔さん】「(写真を見て)これは染め屋さんの『伊達(だて)』という、干し場ですね。手拭いか浴衣を干してますね。屋根がないと雨の時大変なんで、今は屋根ありが多くなっています。左側はうちも染めてもらっている染め屋さんちゃうかな。『神奴染工場(かみやっこせんこうじょう)』さんだと思います」