コロナで「笑い」は変わるのかーーリモート時代に「生き残る」エンタメとは
新型コロナウイルス感染拡大は、テレビ界にも大きな影響を及ぼしている。タレントがスタジオ内で間隔を空けて座っていたり、リモート出演したりすることも増えてきた。そんななかいち早く危機に対応し注目を集めたのがテレビ東京だ。所属する佐久間宣行プロデューサーはコロナ危機が「バラエティ番組の変化を加速させる」と語る。見据える未来とは。そしてテレ東が1年前に打っていたリモート体制の布石とは。(取材・文:ラリー遠田/Yahoo!ニュース 特集編集部)
『報道ステーション』(テレビ朝日系)のメインキャスター・富川悠太アナウンサーや制作スタッフに感染者が出たことが明らかになっており、どの局でも従来通りの番組づくりは難しくなっている。 タレントがスタジオ内で間隔を空けて座っていたり、モニター越しにリモート出演したりすることも増えてきた。コロナ時代のテレビ制作環境はどういう状況にあるのか。そして、収束後もその影響は続くのか。テレビ東京の佐久間宣行プロデューサーに現場の声を聞いてみた。 現状ではスタッフが顔を合わせて会議をすることも難しくなっているが、意外にも佐久間はその点に関して楽観的だ。 「リモート会議は全く問題ないんですよね。大人数の会議って、本当に全員が資料読んでるのかな、ってことがあるじゃないですか。リモートだったら資料を画面に映して強制的に見せながら説明ができるので、むしろ便利。会議はこれからもリモートでやろうと思っているぐらいです」 佐久間が手がける番組自体もコロナのあおりを受けている。『ゴッドタン』では収録素材のストックが尽き、5月3日から総集編が始まった。『青春高校3年C組』では生徒20人が自宅からリモートで出演する企画を導入。他局のバラエティー番組でも、総集編とリモート中継を取り入れた新企画が多くなっている。 「『ゴッドタン』でも、既存の企画の中でリモートで撮れるものがあるかどうか洗い出しをしています。今やろうと思っているのは星野源さんの『うちで踊ろう』のお笑い版で『うちでボケよう』っていう企画です。過去のVTRの中から面白いツッコミを抜き出して、それを使って芸人に自宅でボケのVTRをつくってもらいます」 MCがいるスタジオとタレントの自宅をつなぐ収録では、それぞれの実力が試される。リモート出演には向き不向きがあると佐久間は言う。 「やってみて思ったのは、絶対的なMCがいる場合はやりやすいんですよ。リモート収録って言葉がカブっちゃうから、クロストークには向いてない。だから『有吉の壁』(日本テレビ系)でやっていたみたいに、有吉(弘行)さんが個々の芸人に話を振って、振られた側がそこでイジられるっていうのはいけるんです。 リモート出演に向いているのは、短い尺でも何かできる人と、ある程度はスベっても大丈夫な人です。反応が返ってこないから、メンタルが強くないと厳しい。あと、ガヤ芸人は結構大変だと思いますね。普段は空気を温めたり隙間を埋めたりしてくれるんですけど、リモートだとカブっちゃうから、そういうのがあんまり要らないんですよね」