ヘッドレストの穴は何のためにあったの!? どうして絶滅した!??
交通事故のおよそ3割が追突事故!!ヘッドレストは正しい位置で使用を
内閣府によると、2021年中に発生した交通事故のおよそ3割が、追突事故だったとのこと。追突されると、むち打ち症となる確率が非常に高く、むち打ち症になってしまうと、首の痛みや凝りだけでなく、めまい、目のかすみ、眼精疲労、吐き気、握力低下、手や指先の麻痺、等々、さまざまな身体的症状を引き起こしてしまうそう。ひどい場合には、うつ症状などを誘発してしまうこともあるそうです。 このヘッドレストを有効に使用するには、ヘッドレストを身体にあった高さに調節することが必要。ヘッドレストの正しい位置は、後頭部の一番出っ張っている部分に、ヘッドレストの中心がくる高さです。後頭部をピタっと付けると、ボディの振動が頭に伝わるため、ちょっとだけ浮かすようなポジションが適切とされています。前後にも調整できるタイプもありますので、より頭とヘッドレストが近くなるように調整できるタイプだと好ましいでしょう。 「ヘッドレストの前傾がきつくて首が疲れる」という人は、シートバックを少しだけ倒してみてください。シートバックを倒すとハンドルが遠くなってしまいますが、テレスコピックが付いているクルマであれば、そこで調節するようにします。シートバックを倒すことで、ヘッドレストの傾きが変わるため、楽になるはずです。前述したように、ヘッドレストは道路運送車両の保安基準で定められている安全装備ですので、首が疲れるからといって、取り外したり、前後逆に使用してはなりません。 後席の居住性改善のためのアイディアだった穴あきヘッドレストですが、本来の役目である安全装備としての性能を突き詰めた結果、穴あきでは対応できなくなり、衰退していきました。後席の座席高さを前席よりも高く設定することで後席の居住性を改善したミニバンやSUVの登場や、衝突対策機能は保ちつつヘッドレストの大きさをコンパクトにすることが増えたことも、穴あきヘッドレストが不要になった理由でしょう。 時代の流れで変わっていくクルマの装備。いま当たり前の装備も、10年後には「あれって何だったの?」という装備になっているかもしれませんね。