譲渡トライアル4回 ご縁に結ばれなかった子犬 運命の赤い糸はすぐそばにあった!
2024年1月、数日前に生まれたばかりのワンコきょうだいが茨城県の保健所に収容されました。オスの2匹を地元の犬保護団体restartdog LIEN(以下、リアン)が引き出し、それぞれ「梅吉」「桜太郎(さくたろう)」と名付け、リアン提携の預かりボランティアさんが、お世話をすることになりました。 【写真】きょうだいの桜太郎(左)と体をすりすり 先立って幸せをつかんだ桜太郎に対し、梅吉にも4回の里親希望者さんとの面会がありました。しかし、いずれもご縁にはつながらず、トライアル実施後に「やっぱり飼えない」として戻されることもありました。
子犬のお世話の大変さに「迎え入れ」断念が続いた
子犬はかわいいですが、その世話は大変です。部屋の家具やコードなどをガリガリかじり、トイレの失敗もよくありフローリングを汚すこともあります。汚すだけでなくフローリング剥がしに夢中になる子犬もおり、相応の対策やトレーニングを怠れば、部屋はメチャクチャになることもあります。 まだ小さいワンコは散歩もうまくできません。これもまた相応のトレーニングが必要ですし、脱走防止対策も万全を尽くさないといけません。人間の赤ちゃんと同等か、それ以上の世話が必要なのが子犬なのです。 「梅吉を迎え入れたい」と申し出てくれた里親希望者さんには、いずれもリアンのスタッフはこういった説明を念入りに行いました。それでも「大丈夫です」と言ってくれた里親希望者さんを信じた一方、トライアルから「やっぱり飼えません」と戻されるとき、スタッフは徒労感を覚えます。 梅吉の身になってみても、知らない人・知らない場所で不安な中で数日を過ごし、「ここが僕のお家なのかな」と思ったところで戻されてしまう。梅吉の無垢な瞳を前に「ごめんね。でも絶対に梅吉にピッタリのお家があるはずだから、またイチからがんばろうね」とスタッフは声をかけました。
梅吉を気にかけていた人から意外な申し出が…
梅吉の様子を見守っていた人がいました。リアンと懇意のお散歩ボランティアさんで、再びトライアル先から戻された梅吉と肩を落とすスタッフに「また戻されちゃったんですね」と残念そうな表情を浮かべました。 程なくして、このお散歩ボランティアさんから思わぬ申し出が。なんと「梅吉を我が家で迎え入れたい」と。お散歩ボランティアさんなら、子犬の世話の大変さを熟知し、トレーニングにも長けているため、梅吉にとってはこの上なくピッタリの家です。しかし、この家には先住犬がおり、唯一心配なのが、梅吉と先住犬との相性。 先住犬が梅吉を迎え入れてくれることを願い、まずはこの家で再びトライアルを実施することになりました。