江夏豊氏・伝説のオールスター9連続奪三振…そのとき捕手・田淵幸一氏がひそかに考えていた作戦とは? キャッチャーになった驚きの理由
伝説のオールスター9連続奪三振
徳光: 江夏・田淵の黄金バッテリーといえばオールスターでの9連続奪三振。 田淵: あのときね、1回に三振・三振・三振。2回でも…、ハイ6人終わり。次3回、7人・8人と三振で、9人目になった。 9人目の打者は阪急の加藤秀司氏。ファールフライを打ち上げたとき、捕球しようとした田淵氏に、9連続奪三振を狙った江夏氏が「捕るな!」と叫んだと伝えられている。実は、このとき…。 田淵: 加藤秀司がバーンッて打ったらバックネットの方に飛んだんですよ。 徳光: キャッチャーフライですよね。 田淵: 「よっしゃー」と思って追いかけたら、江夏に「追うなー!」って言われたんですよ。それが、いつの間にか「捕るな!」になったんですよ。 徳光: あぁ、なるほど。本当は「追うな」だったんだ。 田淵: 「追うな」なんですよ。 ところが、私もパッと追うクセがついてるじゃないですか。それで、バックネットの手前でボールが落ちてきたら、捕る直前に腕を開いてボールを見送ろうとしたの。こんな場面は絶対あり得ないでしょ。 徳光: あり得ないですね。 田淵: そしたらスタンドに入っちゃった。あれねぇ、ファウルグラウンドに来てくれてたら…。いまだにテレビ画面に絶対に写される場面ですよ。あれは残念だったな。 徳光: それで結局、9連続奪三振が実現するわけですよね。 田淵: そうそう。 未だに忘れないし、いっつも怒られるんだけど、終わった後に、普通ならボールを持っていって江夏に渡すじゃない。ところが俺、投げちゃった。 徳光: 記録に残る9連続三振のボールを(笑)。 田淵: 「やったー!」ってポーンと放っちゃった。そしたら王さんが拾って渡してくれた。「ブッちゃん、冷たいなぁ。何でこのボールを放るんだ」って言われてさ。 徳光: 王さんを介して江夏さんのところへ行ったんだ(笑)。 (BSフジ「プロ野球レジェン堂」 24/6/11より) 【後編に続く】
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