北朝鮮、核実験に踏み切るなら「豊渓里3番坑道」有力…問題は「タイミング」
【09月27日 KOREA WAVE】11月の米大統領選前後に、北朝鮮が7回目の核実験に乗り出す可能性があるという観測が提起されている。北朝鮮が核実験を敢行すれば、その場所は咸鏡北道吉州郡(ハムギョンプクト・キルジュグン)にある豊渓里(プンゲリ)核実験場3番坑道が有力だと韓国軍当局は見ている。 韓国与党「国民の力」のカン・デシク議員=国会国防委員会所属=が国防情報本部から提出された資料によると、韓国軍はカン議員に「北朝鮮が核実験を強行する場合、場所は3番坑道が有力だ」と答えた。軍によると、北朝鮮は過去6回の核実験により、核兵器製造能力を発展させ、相当な水準の核の兵器化能力を確保したという。 北朝鮮は2018年5月24日、豊渓里核実験場の3つの坑道を爆破した。だがその後、2022年から3回、坑道を復旧するなど追加核実験のための準備を進めてきた。民間の人工衛星が撮影した写真では、3番坑道への車両通行や除雪作業の跡が発見されたりもした。3番坑道を維持・補修するためのものと分析されている。 北朝鮮は最近、ウラン濃縮施設を初めて公開し、核の脅威の水位を高めている。 今後実施される北朝鮮の核実験は、昨年3月に公開した戦術核弾頭「火山-31」の検証のための試験になるものとみられる。 北朝鮮はこれによって、KN23系列の戦術誘導兵器、超大型放射砲、短距離弾道ミサイル、巡航ミサイル、核魚雷に加え、大陸間弾道ミサイル(ICBM)など長距離弾道ミサイルにも火山-31を装着できるという点を誇示し、日米韓などを威嚇すると予想される。 また、北朝鮮が核実験を強行する場合、米大統領選前後になる可能性があるというのが大方の見方だ。これは、対米交渉力を高めるため、自分たちに政治的に有利なタイミングを狙うためとみられる。 これと関連し、韓国軍は、北朝鮮が7回目の核実験を通じて「発展した核技術を立証し、同時に核保有国の地位を認めさせるとする政治的意図があると判断している。開発した戦術核兵器と高威力水素爆弾の爆発信頼性を確保し、核能力の高度化を進展させるための軍事的目的も内在している」と評価しているという。 韓国軍は、北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記ら指揮部が政治的決断をすれば、いつでも核実験ができる水準で準備を終えたとみている。ただ現時点では、3番坑道に核実験のための装備が搬入されるなど、差し迫った状況は捕捉されていないという。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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