アパレルブランド「archive」のピーアンドエム、接客力生かしEC売上拡大 元店員中心に顧客対応
ピーアンドエムは、自社ECサイトで「archive(アルシーヴ)」など4つのアパレルブランドを展開している。元ショップスタッフ(店員)が中心となってECサイトを運営し、特集コンテンツの制作や、問い合わせ対応に注力している。ブランドの強みである接客力や商品数の多さを生かし、売上高の拡大や実店舗への送客につなげているという。 現在のEC化率は約28%で、「ZOZOTOWN」と自社ECサイト「PMbox」が占める割合が大きい。同社は2023年に自社サイトをリニューアルし、運営を代行業者から自社へと切り替えている。 自社運営については、「ブランドごとにEC担当者がいて、商品の見せ方や提案を工夫している。スピード感が求められるアパレルにおいて、迅速な対応ができるようになったことがメリットだと感じている」(アパレル事業部 Web事業グループマネージャー 吉田旭宏氏)と説明した。 同社の強みとなっているのは、実店舗の立地や接客力と、商品数の多さだ。ECサイトは、吉田氏を含め実店舗の店員としての経験を持つ人が中心となって運営しているという。顧客からの問い合わせにも元店員が担当することで、実店舗の経験を生かした対応ができている。 「ECサイトの運営には、店舗の協力も必要なので、経験者が携わることで現場と調整しやすい。店員からのキャリアも広がると思う」(同)と話した。 これまでは、スタッフコーディネートの投稿が少ないことが課題だったという。現場のスタッフと相談し、日々の業務と両立できる仕組みを整えたことで、投稿数は改善前と比較して約1・5倍となった。 「季節に合わせた特集企画でスタイリングを提案するなどして、実店舗に行く前にECサイトを見る流れもできている。強みである接客力をオンラインでも生かす発信をさらに強化していきたい。チャット機能の導入や決済方法の拡充もする予定だ」(同)と話した。
日本ネット経済新聞