<勝利へ・2021センバツ鳥取城北>動画で聖地、堂々行進 きょう初戦、練習試合で勢い /鳥取
第93回選抜高校野球大会が19日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕し、2年連続3回目選出の鳥取城北は開会式に動画で参加。センバツ旗を先頭に力強く行進する姿がバックスクリーンの大型ビジョンに映し出され、スタンドから大きな拍手が送られた。ナインは大会第2日の20日、第2試合で21世紀枠出場の静岡・三島南と対戦し、まずはセンバツ初勝利を目指す。【野原寛史】 鳥取城北は3月6日に練習試合が解禁された後、近畿地区や中国地区などの県外強豪校と精力的に試合を重ねてきた。ナインはひと冬を越して大きく成長した姿をアピール。成績も計10試合で5勝3敗2引き分け(17日現在)と勝ち越すなど、本番に向けて上々の仕上がりを見せている。 持ち前の打線は計78得点と勢いづく。4番の太田英之介(ひでのすけ)外野手や1番の松田龍太内野手、岸野桂大(けいた)捕手のほか、2年生でただ一人メンバー入りした坂根叶琉(かなる)外野手ら打線のキーマンが本塁打を放つなど順調な仕上がりだ。課題だった走塁でも、松田選手ら俊足の走者が果敢に盗塁を決めている。 投手陣では、先発する機会が多かったエース右腕の広田周佑(しゅうすけ)投手が長いイニングで安定した投球を見せ、左腕の奥田智哉投手も主にリリーフで力投。長身右腕の山内龍亜(りゅうあ)投手も岡山学芸館との試合で3回無失点と好投するなど安定感が増している。 17日には兵庫県内で神戸科学技術と2試合を行い、9―1、10―4でいずれも快勝。勢いに乗って開幕を迎えた。 ◇頂点へ、目標それぞれ 部員全員アンケ 幼い頃から夢だった「甲子園出場」をつかみ取った鳥取城北ナイン。だが、彼らは満足などしていない。それぞれが高い目標を掲げて次のステップに挑む。20日の初戦を前に、ベンチ入り予定選手18人の今大会と年間の個人目標をまとめた。 2月初旬に毎日新聞鳥取支局が実施した「部員全員アンケート」の回答を集計した。 センバツでの目標に、エースの広田周佑投手は「勝利の試合で最後のマウンドに立っている」を挙げた。今大会は先発登板が予想されるだけに、事実上の「全試合完投勝利宣言」だ。 ここに来てぐんぐんと調子を上げてきた山内龍亜投手はセンバツ目標が「三振を奪う」、年間目標が「球速を上げる」と頼もしい。左腕の奥田智哉投手は「四球を出さない」と持ち前の制球力で淡々と勝負する。 野手組の多くは「ヒットを打つ」など打撃面の目標を挙げた。看板の強力打線を引っ張る3番の畑中未来翔(みくと)主将、5番の徳山太一外野手は、センバツの目標が「本塁打を打つ」、年間目標が「高校通算20本塁打」でくしくも並んだ。メンバー唯一の2年生ながらチームナンバーワンのパワーを誇る坂根叶琉外野手も虎視眈々(たんたん)と本塁打を狙う。 チームの目標は言うまでもなく「センバツ初勝利」、そして「紫紺の大旗」だ。ナインそれぞれが個人目標を達成できた時、頂点はおのずと見えてくる。【望月靖祥】 ……………………………………………………………………………………………………… センバツ目標 年間目標 1投 広田周佑(3) 勝利の試合で最後のマウンドに立っている 後悔のない高校最後の年にする 2捕 岸野桂大(3) 勝利に貢献する 本塁打を打つ 3内 宮田葵(3) 失策ゼロ、ヒットを打つ 高校通算10本塁打 4内 中木村連次郎(3) ヒットを打つ メンバー争いできる選手になる 5内 手槌皓太(3) 試合に出て活躍する 夏が終わった時に後悔しない 6内 松田龍太(3) ヒットを打つ 盗塁をする 7外 太田英之介(3) ヒットを打つ レギュラー入り 8外 徳山太一(3) 本塁打を打つ 高校通算20本塁打 9外 畑中未来翔<3> 本塁打を打つ 高校通算20本塁打 10投 奥田智哉(3) 四球を出さない 球種を増やす 11投 山内龍亜(3) 三振を奪う 球速を上げる 12捕 荒川結生(3) 試合に出て勝利に貢献 レギュラー入り 13内 永谷光貴(3) スタメンで出てヒットを打つ レギュラー入り 14外 松尾天翔(3) サイクルヒットを打つ 安打製造機になる 15内 後藤和輝(3) 大事な場面で打つ 本塁打を打つ 16外 坂根叶琉(2) 本塁打を打つ 4番を打つ 17外 辻井陸(3) 試合に出る 試合に出る 18外 徳永健太(3) ベンチ入り レギュラー入り ※左から番号、守備位置(投手、捕手、内野手、外野手の別)、名前、学年(黒丸数字は主将)の順。敬称略