「自分を隠さなきゃと思ってた」 ありのままの“自分らしい服装”で迎える成人式
日テレNEWS NNN
一生に一度の成人式。そんな特別な日に自分の好きな服を着て、ありのままの自分で楽しむためのイベント『SEIJIN-SHIKI』が、東京・渋谷区で開催されました。「男性はスーツやはかま」、「女性は振り袖」という固定観念にとらわれない“自分らしい”服装で106人の参加者が思い出をつくりました。
『SEIJIN-SHIKI』を主催したのは、女性の体に合うメンズライクなスーツブランドを展開しているkeuzes。人生の節目に、時代の移り変わりの中で一人ひとりの価値観や生き方を肯定できるような体験を届けたいという思いから、2023年に初開催。2回目なる今回は全国各地から106人の参加者が集まりました。「前回来た人がまた来たいと思えるイベントにしたい」という思いから、参加可能年齢を18歳から22歳までに広げているといいます。 会場ではポートレートが撮影できるスペースや、1年後の自分に向けて手紙を書くスペースを設置。「ここでの出会いが今後につながる出会いにしてほしい」と、インフルエンサーとのトークセッションなどのコーナーも用意され、参加者たちが交流できる時間が多く設けられました。
■必要なのは“自分らしくいられる場所”
参加者の中にはLGBTQなど性的マイノリティー当事者の姿も。イベントを開催したkeuzesの代表・田中史緒里さん(29)自身も、戸籍上の性別は女性ですが、自身を特定の性別だと自認していない“FtX”です。 着たい服がなかったことから、成人式に参加できなかったという田中さん。ブランドを立ち上げた後、スーツを購入してくれたお客さんから「成人式に着たいものは手に入ったけど、当日(地元の成人式に)行けるかわからない。周りが振り袖で自分だけスーツだった時に、周りにどうやって思われるんだろうと考えると行く勇気がない」と言われたといいます。その言葉をきっかけに「もの(スーツ)を提供するだけじゃなく、“自分らしくいられる場所”も必要なんだ」と感じ、イベントの開催を決めたといいます。